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特集


ロマンの木曜日
 
電柱広告を出そう

看板が出来るまで


看板制作の大同工芸 工場の前には勿論電柱広告

工場長の大楽さん
製品部の五十嵐副部長

電柱広告の制作を請け負う、東京都葛飾区の大同工芸さんにお邪魔した。
工場長自ら出迎えてくれて、まずは電柱広告の歴史を教えてくれた。

「もともとは江戸時代、行灯に店名を書いて飾ったのが始まりだと言われていますね」
電柱広告の歴史の古さに驚かされる。

「昭和36年頃までは、電柱に直接書いていたんです。ほとんどが木柱でしたけど」
昭和41年頃、電柱に直接書くのはあまりにも汚いという事で全部消された。

「それから昭和61年頃までは、全部手書きで看板を作っていました」
まったく同じ文字で何枚も書くのは相当大変だったようで、何度も返品された苦い思い出があるという。

昭和61年に写真製版の機械を導入し、平成8年には現在のデジタル製版に切り替えた。

手書きで看板を作った経験を持つ数少ないスタッフの1人、製品部の五十嵐副部長から、実際の工程に沿って看板が出来るまでの説明を受けた。


1.版出力


紗張りという版下の土台を作る作業 レイアウトを確定させる。僕が送ったデザインに微調整をかけてくれている
確定されたレイアウトデータが製版機に電送される。デジタルビイムのロゴが見えてきた 色別に版が出来る。それを一度水洗いしてフィルムに付着した溶液を落とす。デジタルビイムの看板は黒1色なので版は1枚

2.印刷

上記までの作業は工場2階のデザインルームで行われている。
そこから1階の印刷室に移動。次の工程に入る。


発注書でデザインを確認 職人さんが版下の上からペンキを塗る
版を抜けて文字部分だけペンキが塗られた 地番表示部分に住所を印刷
町名地番が表示された じゃーん!QRコード

QRコード表示は実現した。
細かい模様なのでうまくいくかどうかやってみないと分らないと言われていたが、大同工芸さんの高い技術力で見事クリア。記念すべきQRコード付電柱広告第1号が誕生しました。


3.コーティング

印刷の次は看板にコーティング剤を塗る作業だ。落書きされても落としやすい様に加工される。

ここ大同工芸さんでは、毎日400本ほどの看板を制作している。随分多い様に感じるが、一時期よりもかなり減ったそうだ。

「電柱の地中化が進んでいるので…」

電柱が町の景観を損ねる、という事で都市部では電柱の地中化が進んでいる。
個人的には電柱のある雑然とした風景の方が好きなので、少し淋しい。


コーティング剤を機械で吸い上げて 看板にコーティングする
140度Cの熱風を40分間あてて乾かす 完全に乾いたのを確認して運ぶ
看板の上部に掲載場所を記入して 取り付け業者さんがトラックで運搬

看板も完成しいよいよ掲出ですが、ちょっとその前に。
知って得する電柱広告の話を次ページで。


 

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