川沿いからひき返す。ちょっとズレた地点まで行ってみると、「国土交通省」が整理した、雑草の始末された、公園のようなスペースがひろがっていた。
どこまでも、どこまでもクローバーが生えていた。白い花も、咲いている。
なんだかもう、「世界の中心で、愛をさけぶ」の表紙みたいな景色だ。
「ここって……何かに似てる、と思ったら……なんだか天国っぽいんだ……」
私の体調はさらに悪くなっていた。
身体から汗がだらだら出ているのに、腹のあたりを触ると、ひどくつめたくなっていた。
身体が他人のものみたいだった。
でも頭の中だけは「夏」でいっぱいになっていた。
真夏はもうすぐ。どうしよう。
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