よりスパイっぽく!
高性能に仕上がったという傘ラジオ、どれほどのものだろう。早速受信してみたい。焦る私に先生から普通のラジオのようなものが手渡された。
「これ、傘ラジオ用信号発生器です。傘ラジオと一緒に使って下さい」
傘ラジオにこの機械を近づけ、チューニングダイヤルを回すと現在傘ラジオのチューニングが合っている場所で傘ラジオ側に「ピー」という音を鳴らす。
周波数の探知機とでもいうもので、傘ラジオがどの周波数に合っているかを確かめる機械だそう。
おお。ドラゴンボール的に言えばドラゴンレーダーみたいなもんだ。これさえあればドラゴンボール7個ゲットで願い事が叶ったも同然だ。
しかも先生はこれを100円ショップで買ったラジオを改造して作ったのだそう。リアルスパイだ。シビレまくりである。
受信はやっぱり高い場所で
前回、デパートの屋上、実家の屋根の上、木の上と、とにかく電波を求めて高い場所へ高い場所へと移動し続けた私だったが、研究生の高山さんによるとその行動は間違いではなかったらしい。
「電波は建物で跳ね返るんです。だから拾うときはやっぱり周りに障害物が無い場所がいいですね。学校だったら校庭とか、屋上とか」
それでは今回も高い場所で、と、快晴のもと、八王子の街が一望できる屋上に上がった。
学校の屋上というとアレだ、憧れの先輩に告白したり、番長が転校生を呼び出したり、授業サボって昼寝したりするあの場所だ。そこで私は作ったばかりの傘ラジオを構える。
「今1000khzぐらいなんで、TBSラジオですね」研究生、飯野さんに信号発生器で周波数を確かめてもらい、イヤホンをはめる。いきなり軽快な音楽が。
「クロネコヤマトの宅急便♪ いっぽ前へー!」
うわ、なんだこれ。ものすごく良く聞こえる。私が作った時とは比べものにならない音量、音質…。
前回は断念した選局も楽にできた。NHK第一、第二、TBSと米軍放送の4局をキャッチ。これが傘ラジオの本来の威力なのか…。
作った傘ラジオと信号発信器(あとお茶とお茶菓子も)をお土産にいただき、興奮のうちに学校を後にした。小池先生、研究生の皆さん、ありがとうございました!
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