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特集


ひらめきの月曜日
 
音でもようを作る

実験3 楽器でチャレンジ

居間で友達と「ストリートファイター」をやっていた弟にたのみ、コンポに引き続きベースを借りた。アンプは自宅練習用の小さいもの。それでもコンポよりはダイレクトに震えがきそう。

アンプの声量に期待

実は私は短大時代、バンドでベースを担当していたことがある。卒業と同時にバンドは解散してしまったので、ベースを担ぐのは6年ぶりぐらいだろうか。

ちなみに当時のバンドのメンバーはその後それぞれ別の道へと進んだ。現在ギターはフランスに留学、ボーカルはビーナスフォートの化粧品販売員に、ドラムは消息不明。そして私はというと…今またベースをかついでいる。音を模様にするために。

べーーーん。弾いてみた。


べーーーん
「どうだ?」

べーーーーーーん
「どう?」
「うーん」
べべべべべべべべ
「できた?」
「いやー」

短く刻んだり、長音にしたり、手を変え品を変え弾いてみる。夏休みで家中で散り散りにゴロゴロしていた家族が集まってきた。

真ん中から砂が逃げるのは確認できた

あまり大音量や強いピッキングをして振動が大きすぎると模様が壊れてしまうようだ。なんとなくコツはつかめてきているのだが…。どうしても模様とまではいかない。


ベ、べ、べ、べンっ!
「まだできないの?」

べっ!べっ!べっ!
「なになに?」
「いや、模様をね」
べーーーーんべべっ!
「全然だめじゃん」
「なんでだろうなー」

いつのまにやらギャラリーに取り囲まれている。なんとかいいところを見せたい。気持の高まりとともにベースのピッキングにも力が入るが、依然として模様といった模様に砂が動かない。

外周を縁取るような感じにはなったが模様とはいいがたい

見かねた人々からは次々とアドバイスが。

「これ、砂が粗すぎるよ。小麦粉とかサラサラのじゃないと」
「アンプがやっぱ小さいんだよな」
「皿が小さすぎて模様が見えてこないんじゃない?」
「 紙皿がゆがんでるんだよ。発泡スチロールの皿がいい」
「音が大きすぎるんじゃない?細かい模様が出るように小さな振動を出さないと」

…。どの意見もいちいちもっともに聞こえる。ここは一旦仕切直して、音を模様にするための装置をしっかり考えしたほうが良さそうだ。

最初から見物していた一番下の弟(中2、野球部)が「あ、そうだ」と自室から教科書を持ってきてくれた。

 

教科書にヒントが

持ってきてくれたのは科学の教科書だ。何でも去年「音の伝わり」を授業で習ったらしい。

見かねて教科書を差し出す弟(野球部)
お礼に今度新しいTシャツを買ってやろうと思う

教科書には水や物を音が伝わるようすが解説されていた。その中に、桶にビニールを張って上に砂をまき、音による空気の振動を観察するとらえる実験が紹介されていた。やってることはかなり近い。

調べてみると、ネットにも洗面器を使った方法が紹介されている(こちらのサイトを参考にしました)。洗面器に色つきのビニールをピンッと張り、ビニールテープで固定、その上に細かい砂(どうやら食塩がいいらしい)を敷き詰めて、上から声を浴びせる方法。おお! これならできそうだ。


 

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