昔よく、何でも凍らせて食べていた。
バナナ、モモ缶、ヤクルト、コーラ、トマト、砂糖を入れた牛乳。飲みかけのジュースを、コップの中に液体が入ったまま、冷凍庫に入れて、グレープフルーツスプーンでごりごりほじって食べるのも好きだった。母には「何コレ、気持ち悪い」と呆れられ、「私の勝手でしょう！？」なんて反抗したりもした。今考えてみると、確かにあの「凍らせたい欲」は一体何だったんだ？　軽い変態？　とか思ってしまう。

そんな凍らせマニア（当時）が堂々と凍らせて食べていたもの、それが「チューチュー」（正式な名称は何というのだろう？）だ！
おやつに１本、食後に１本。舌の先が荒れるまでチューチューチューチュー。

あんなに好きだったのに、最近食べていない。
しかも、どんな味だったかさえ、思い出せない。

今回、スーパー、コンビニ、駄菓子屋、100円ショップなどで、ありったけ集めて、食べ比べてみた。

果たして味に違いはある……のか？

（text by 大塚幸代）

■ミルちゃん　フルーツ（宮城県　秋山食品）90ml 10本入り　

50円の、かき氷カップアイスの味がする。もちろん、思いっきり「無果汁」と書いてある。「ファンタ」などの有名製品でも「無果汁」でフルーツ味、という商品は多いけれど、だいたいは一応香料がついている。でもこれは色が付いてるだけ。「ミル」ちゃんというのも「乳酸飲料」という部分をアピールするための名前なのだろうけれど、それっぽい味もしない。う〜ん、けっしてイヤな味ではないけれど……。

■サクっと冷たい　キャンディーミックス（山口県　農水フーヅ）90ml　10本入り　

おいしい水（イオン活性水）使用だそうです。こういうお菓子と健康志向って両立するんでしょうか？　色は３色ありますが、どれも同じ味で、やにっこく甘いです。裏側に「おいしいお召し上がり方」として「星形、丸型、ハート型に凍らせてパーティに」という提案が載っていますが、実行にうつすかたは少ないかと思われます。

■SUMMER PARTY 果汁20％ドリンク（宮城県　秋山食品）70ml　10本　

果汁入りといえど、よく見ると、「りんご果汁」しか入っていません！　ぶどう色のモノを味わってみたところ……確かにりんごの味がします。ぶどうの影、なし。「サマーパーティ」という名前なのに、海辺でひとりでバーベキューをしているような……さみしい気持ちに、ちょっとなりました。

■フルーツ果汁20％（熊本　オークラ製菓）90ml　10本入り　

QQ Label Original Lactic Acid Drink、と袋に書いてありますが、乳酸って「lactic acid」っていうんですか？　これもブドウ、リンゴ、みかんの絵がシルエットで描いてあって、チューブの色も微妙に違うけれど、全部リンゴ果汁を使ったもので、同じ味。きっと日本人の脳にはフルーツ＝りんごっぽい味、という図式が出来ているのでしょう。

■フルーツぷよんぷよん（佐賀県　光武製菓）70cc 10本　

これも「果汁使用」（なんの果汁かは書いてない）とあって、いちご、ぶどう、青りんご、パイナップルとありますが、使われている果汁はやっぱり……りんごだけ、だと思います。人工の匂い付けが一応してあって、４種の香りになってます。この袋の裏にある「おいしい召し上がり方」に、「袋のまま冷凍庫で冷菓にし、５cm位の長さに輪切りにして召し上がり下さい」という、大胆な提案がなされていますが……そういうのアリですか？

■フルーツぷるんぷるん（佐賀県　光武製菓）70cc 10本　

「フルーツぷよんぷよん」の姉妹品、無果汁の乳酸飲料。ストロベリー、グレープ、青りんご、バナナ味の４種で、「バナナ」を使っているのが珍しいところです。しかし「ぷよんぷよん」では「いちご味、ぶどう味」だったのが、なぜ「ぷるんぷるん」では「ストロベリー、グレープ」になっているんでしょう。ナゾ。