耳うどん紀行 :: デイリーポータルZ

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はっけんの水曜日

佐野厄よけ大師は、想像した以上に金色でピカピカの建物だった。ちょっぴり悪趣味。

「うわ、もうかってるんだなあ！」と思わず声が出た。あからさまに儲かってそうな神社仏閣って、ついつい、ヒいてしまう……。

フライを食べようと、座れるところを探す。が、そういう、のんびりしたスペースは一切なかった。
座れそうな場所もない。
仕方なく、はしっこの庭石の上に、勝手にこっそり座る。

境内の、切りそろえた植木から、反抗するように、にょろんと伸びている枝を見つめつつ、食べた。

ビニールの中から出して……。

やっぱり揚げたてはうまい。
イモを食べ終わり、イカにとりかかる。

……イカうまい！　イカめちゃくちゃうまい！
そういえば林さん（当サイトwebマスター）が、
「焼肉屋で肉を食べている時に、別の人がイカを注文して、そのイカの匂いにやられてくやしかった、イカはすごい破壊力がある！」
とか言ってたな……てなことを思い出した。

……食後、とりあえず、おまいりする。

ちなみに私は、ばっちり本厄だ。

おまもり、おみくじ、なんかを物色しているのは、若い女性ばかりだった。
こういうの気にするのって、女の人が多い。というか、25歳厄年の男や、42歳厄年の男は、忙しくて、厄を気にしてるヒマはないのかもしれない。

水子供養、良縁お守り、子宝お守りが並ぶ。これを18～38歳の女性が買っていくわけだ。脅迫されているような気分になって、すこしブルーになった。
でもこういうのって、町の占いなんかといっしょで、一種の気持ちの発散場所なだろうな～とは思う。お守り１個で少し気分がゆるむのなら、安いものだ。
私もピンク色の、厄よけ身体お守りを買った。

そのあと、厄よけの前にあるみやげ物屋に行ったら、市内散策マップを発見。

その中で見つけた

・うだつの有る家
・あんぱんの美味しいパン屋
・ふみきり寿司

に寄ってみることにした。

写真中央がうだつ。「うだつとは、建物の梁の上にたてて、むな木をささえる短い柱で、防火の役目をしている」ものだそう。ようするに防火壁だそうです。



「昔の味」と自己申告。

ナカダの桜あんぱん。桜の花と葉の香りがして、和菓子みたいなテイスト。他のパンも、コッペやあげパンなど、レトロ感あふれるものが多いので、パン好きはにはたまらない店でした。

ナイスネーミングな「ふみきり寿司」は、ふみきりのそばにある寿司屋。もともとは「橋本屋」という店だったらしいのだけれど、両毛線の開通時に改名したんだとか。
いなりやのり巻きの美味しい店らしいです。行った日は定休日だったのだけれど、今度来たときは是非食べてみたい。

……と、３つ店まわったら、雨がパラパラ降り出した。
地面がぬれる匂い、草の匂いがムハーっとして、スズメの団体があわてて木の枝に大集合して、ちゅんちゅんと雨宿りをはじめた。
あわてて自転車を返して、駅に行くと、高校生だらけだった。どよんと弛緩した、下校ムードがただよっている。地べたにも座っている女子もいた。でもヤンキーってわけじゃない。ただただ、だらだら。