お爺さん、我が道をゆく
カゴシマには、あちこちに武家屋敷があった。なかでも国境にあたる出水は警備も厳重で、そこを守る武家屋敷群の規模も最大だったそうな。
一般公開中の「竹添邸」に入る。
何かに夢中になっているお爺さんの姿が奥に見えた。
我々が入ってもお爺さんは机に向き合ったまま微動だにしないので、邪魔してはいけないと思い、そのまま上がって中を見て回った。
一通り見学し、そろそろ帰ろうと思って靴を履こうとしたところ、
「やぁ、いらっしゃい。」
と、先ほどのお爺さんが声をかけてきた。
帰ろうとしてたところなのに…。
すごく間が悪いお爺さん。でもせっかく説明をしてくださるというので、ありがたくもう一巡することにした。
「畳の下には竹が敷いてあります。」
「押入れはなく、襖を外すと大広間になって大勢で集会ができるようになってます。」
私:「お爺さんはここに住んでるんですか?」
「次はこっちに来てください。」
私の質問には完全無視である…。
聞こえてないのかも知れない。
「剣を自由に振り回せないように、部屋の仕切り部分を低くしてあります。」
武家屋敷について、とても勉強になった。
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