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特集


ひらめきの月曜日
 
一日魚屋修行


目と鼻の先に銀座があるとは思えない光景

マグロ満載のこれがターレット。通称ターレー

ベトナムか、ここは

正門を車で突破すると、中は想像以上のごちゃごちゃぶりだった。トラック、軽トラ、バイク、原付、ターレット、手押し車、自転車、カゴを持って走る人、カゴを持って歩く人。世の中の考えられるほぼ全ての運搬手段が総動員だ。

地面には発泡スチロールのくずや魚くずが散らばり、素人目にはどこに秩序があるのかまるで分からない。この光景、どっかで見たことがあると思って考えてみたら、そうだ、今年の6月に行ったベトナムだ。バイク4人乗りとまでは行かないが、それに似た無理矢理感がここにもある。

しかし、ここで働く人にとってはこのゴチャゴチャの中にちゃんとした決まりがあるのだ。車は混乱の中をかき分けて仲卸しという店が集まる場所のヘリに停まった。このヘリの場所は各業者の指定位置になっていて、店で買った魚は仲卸しの人がここまで運んできてくれる。

私が写真を撮りまくる間にヒデさんと若だんなは車から発泡スチロールの箱を降ろして準備万端だ。あわわ、すみません。魚屋修行のはずがすっかり観光に。


この駐車スペースは月極でお金を払って借りている


仲卸しの店へ。狭い通路もたーれっとや荷車がごり押しですれ違っていく
仲卸しの店には一般の客も入れる。なぜか一般のお客さんの90%は外国の方だそう

ハマグリの扱いすぎで目がくぼむというおばさん

魚屋さんの、魚屋さん

約1,000軒が連なるという仲卸しの店はつまり、魚屋の魚屋だ。てっきり浜やも競り(セリ)に参加するもんだと思っていたのだが、そうではないのだ。

卸売業者が卸す魚を仲卸し業者がセリで落とし、それがこのカシに並ぶ。一般の魚屋はそれを購入するわけだ。

魚屋になって魚を売るつもりが、仕事のハイライトが仲卸し業者さんから魚を買うことだとは。

「おーう!おはようさん!」
「いいとこ500ちょうだい!」
早朝から上げテンションの仲卸しの店々でヒデさんと若だんなが挨拶しながらサクサク魚を買っていく。数ある店の中で買うところはほとんど昔からの馴染みの店に決まっているそうだ。

店は専門店が多い。エビだったらエビだけ、カキだったらカキだけ、マグロだったらマグロだけ。ハマグリだけを扱っているところもあった。おばさんが店頭で次々貝から身をくり抜いている。

「今ぐらいの時間はいいけどさあ(朝7時ごろ)これが昼になってくると目が疲れてくぼんじゃってくるのよ」

なんと毎日朝6時すぎから昼の11時頃まで延々はまぐりをくり抜き続けているらしい。当サイトの人気キャラ、はまぐり刑事もビックリですよ。


クジラ専門の店や


すっぽん専門の店も
当日は雨。変わった帽子をかぶっている人が多いなと思っていたら…
魚を入れる「油袋」という防水の袋をかぶっていたのだった。そしてボタンエビは美味しそう

 

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