魚屋さんの、魚屋さん
約1,000軒が連なるという仲卸しの店はつまり、魚屋の魚屋だ。てっきり浜やも競り(セリ)に参加するもんだと思っていたのだが、そうではないのだ。
卸売業者が卸す魚を仲卸し業者がセリで落とし、それがこのカシに並ぶ。一般の魚屋はそれを購入するわけだ。
魚屋になって魚を売るつもりが、仕事のハイライトが仲卸し業者さんから魚を買うことだとは。
「おーう!おはようさん!」
「いいとこ500ちょうだい!」
早朝から上げテンションの仲卸しの店々でヒデさんと若だんなが挨拶しながらサクサク魚を買っていく。数ある店の中で買うところはほとんど昔からの馴染みの店に決まっているそうだ。
店は専門店が多い。エビだったらエビだけ、カキだったらカキだけ、マグロだったらマグロだけ。ハマグリだけを扱っているところもあった。おばさんが店頭で次々貝から身をくり抜いている。
「今ぐらいの時間はいいけどさあ(朝7時ごろ)これが昼になってくると目が疲れてくぼんじゃってくるのよ」
なんと毎日朝6時すぎから昼の11時頃まで延々はまぐりをくり抜き続けているらしい。当サイトの人気キャラ、はまぐり刑事もビックリですよ。 |