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特集


ひらめきの月曜日
 
かわらで煎餅を焼きながら
去年の今頃、河原でバウムクーヘンを焼いた。すごく美味しく焼けたのはもちろん、インドア寄りの人生を送ってきた自分としては外で料理する楽しみに目覚めたのも大きな収穫だった。

また外で何か焼いてみたいとはつくづく思っていたのだが、煎餅はどうだろうと考えたのは、ただ単に煎餅が好きだからだ。でも煎餅ってそんなに簡単に作れるものなんだろうか。迷う私の背中をウェブマスター林さんの一言が押した。

「河原で煎餅を焼く、ですか…。あ、それって、かわら(瓦)煎餅ですね」

はっ、本当だ。そんなわけで、今日は河原で煎餅を、瓦煎餅を焼きます! あと、醤油煎餅も焼きます(好きだから)! 訳あって、父と二人で焼きます!

 

(text by 古賀 及子



増水する河原へ

河原で瓦煎餅というダジャレのポップ&キャッチーに心奪われ、本当に材料の米と小麦粉を持って河原へやって来た。

当日は大型で強い台風22号の通過2日後。川は未だ増水して、やや荒れた状態だ。煎餅が個人の手で簡単に作れるのかどうかがもっかの不安材料だったが、それ以上に川が不安。大丈夫なのか。煎餅もろとも流されやしないか。


ざざーん

しかし、ビビる私をよそに向こう岸では釣りをするカップルが。さらに我々が陣取った隣では子供連れの親子3組のグループがバーベキューをしながらシャボン玉を飛ばすのんびりムードだ。

過去10年で最大と言われた今年の台風22号。東京を直撃したときもマスコミはすごい騒ぎだったようだが、私がいた新宿靖国通りのドンキホーテは普通に買い物する人でいっぱいだった。世の中、ある程度だったら案ずるより産んじゃっていいものなのかもしれない。


1枚上の写真から視界をやや左にずらせばこの通り

同行者が見つからなかった

さて、河原で火をおこし、何かを焼くというと少なくとも2人は人員が欲しい。焼き上がった煎餅をかじるのだって1人じゃさびしいだろう。

今回はバウムクーヘンを焼いた時に手伝ってくれた友人をまた誘った。彼女は子供の頃ガールスカウトにいたことがあるアウトドアの達人だ。前回の成功もほとんど彼女のおかげと言っていい。

が、が、が。台風のせいで決行日程がズレこんだ関係でそのキーマンが来られなくなってしまったのだ。……こまった。慌てて辺りを見渡したとき、暇そうにゴロ寝しながらナンクロ(クロスワードパズルのような紙面のパズル)をやっている人物が視界に入った。この人を誘うしかない。

「あのさ、今日河原で煎餅を焼こうと思ってるんだけど……来てくれない?」
「ん? バーベキューか?」
「うん。それに近い」
「いいよ」

そんなわけで、今回手伝ってくれるのは、すみません、父です。


父です

まるっきり期せずして、父と娘がガチンコで河原で煎餅を焼くことに。私は実家を出て8年になる。そのうえ5人兄弟で、親と二人きりになることはほとんどない。なにかのテレビの企画かこれは。言い出しにくい打ち明け話でも始まるのか。

いや、始まりません。始まるのは煎餅を焼く物語。子供連れの若い親子グループの隣で、以下の写真のような二人がこれから4時間に渡って煎餅を焼きます。


一応子供連れのファミリーグループではある

 

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