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特集


ちしきの金曜日
 
週末の夜はフリーマーケットへ
人と物のるつぼ。ナイトマーケット


毎週土日の夜になるとにわかに活気付く地域がある。沖縄の中部、海に近い場所「ハンビー」だ。

ここハンビー、平日は穏やかな場所なのだが週末の夜になると熱気あふるる大フリーマーケットゾーンへと豹変する。一歩足を踏み入れるとそこにはもう法も秩序も通用しない、そんな感じのディープな空気漂う混沌の世界が広がっていたのでした。

(text by 安藤昌教



ビデオ屋もやっぱりハンビー

そもそもハンビーとは

このあたりを歩いてみると、いたるところで「ハンビー」の文字を目にする。病院だろうがビデオ屋だろうがなんでもかんでもハンビーだ。郵便局まで英語でハンビーポストオフィスと表記されている。

そもそもハンビーとはなんなのだ。思いつく限り似た言葉を捜しても、布袋さんのバンビーナくらいしか思いつかない。カタカナ表記なので日本語ではなさそうだが、もしかしたら略語なのかも。「半分ビーチ」略して「半ビー」とか。確かに海は近のだが、うーん。


ビデオ屋もやっぱりハンビー
ハンビーポストオフィス。英語表記だとHAMBYなのか

停電の中、黙々と立ち読みする人々


ナイトマーケットが始まるにはまだ日が高すぎたので、ハンビーの名前の由来の手がかりを探しながら本屋で時間を潰すことに。

と思い入店して驚いた。停電しているではないか。しかもお客は平然と立ち読みを続け、それに負けじと店員さんも平然と掃除とかしている。電気は切れましたが何か、という感じだ。しばらくして電力が再開した時もやはり誰一人としてリアクションをとらなかった。思わぬところでハンビーの厳しさを知った気がした。

で、ハンビーの由来だが。これは結局本屋ではわからず、後日図書館で調べなおすことにした。するとあっさり判明。実はこのハンビーという地名、かつて存在したハンビー飛行場という米軍施設の跡地に作られたことに由来しているらしい。あ、5へぇですか。だけどこれですっきりとハンビーマーケットを紹介できるってものです。


昼間はこの通り、荒涼としています

昼間は誰もいません

ところで一般的にフリーマーケットって朝行われているイメージがないだろうか。筆者の中ではフリマ=早起き、とつながる。しかしここハンビーではフリマと聞いて早起きして来てもおそらく誰もいない。フリーマーケットが開かれる場所には、実は夕方近くまでほとんど人影が見られないのだ。それも開催は週末の土日の夜に限られる。平日は朝から夜までしーんと静まり返っている。

筆者が本屋を出たのが土曜日の午後5時すぎ。そろそろマーケットが始まるころではないだろうか。今日はどんな掘り出し物が見つかるのやら。期待は膨らむ。

次のページからいよいよめくるめく掘り出し物市場の始まりですよ。


 

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