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ひらめきの月曜日
 
おいしい闇鍋をかこもう

また誤算、小窓から具が取り出せない

そして、全ての具の投入が完了。「煮えましたー!」の声とともにメンバーがまたちゃぶ台の回りに集合した。


この窓から具を取り出す

ここからは、一人一人が小窓から鍋の中身が見えない状態で具を取りだして行く。何が取り出せるかは、闇、だ。

鍋内部の様子を知っているのは奉行である私ひとり。メンバーの顔には不安と期待がいりまじった微妙な表情が浮かぶ。

「じゃあ、とりあえず林さんからお取り下さい」


林さん、取り中

林さんは小窓を開けると「お! うまそうですよ!」と意外そうな声を上げたのもつかの間、肩を落とした。

「あの…、具がつっかかって窓から出ないんですが」

がーん。


鍋、オープンにしました

結局、小窓から具を取り出すのは諦め、全てをオープンにすることにした。作った覆いも風よけとして役に立ったわけだし、まあいいか。

少なくともメンバーにとっては煮えるまでの鍋は見えなかった(つまり、闇)だったわけで、これでも立派な闇鍋と言いたい。

そして、覆いの天井が開け放たれた。闇鍋の全貌が明らかに!


こちらが本日の闇鍋、完成型です

……あれ? ちょっとこの写真、あんまり美味しそうじゃないですが、現場ではグツグツ煮たってかなり美味しそうだったんです。


おおお!

因みに、この時点ではどの具を誰が持ってきたかも鍋奉行である古賀しか知らない。目を合わせ合うメンバー達。これはお前の仕業か? いや、おまえか?

無言の会話が聞こえてくるが、とにかく食べていきましょうよ。箸と味ポンの入った器が手に手に渡った。

 

安心の美味しさ、肉加工品

まずみんなの手が伸びたのはシュウマイやチキンナゲットなどの加工品。

「今回具を選ぶので思ったんですが、鍋の具ってもう出尽くしてるんですよね。たいがいの食品は鍋に入れられ尽くしてる。となると、もう加工品というか、完成されている食べ物を入れるしかないんですよね」


べつやくさん推薦シュウマイ シュウマイは高瀬さんもプッシュ

「それにしてもシュウマイは鍋の具としてレベル高いですよ。味ポンに良く合う。ああ、でも崎陽軒のシウマイは冷めててもおいしいですねえ(鍋に入れた残りのシウマイを食べて)」
「(食べて)ああ、そうですよねえ」
「シウマイおいしいですよねえ」
「ねえ」


林さん推薦、ハンバーグ 林さん推薦、チキンナゲット

「林さん、ハンバーグ、なんで豆腐なんですか?」
「(やや焦って)いや、いや、本当はマルシンハンバーグ買おうと思ったんですけど、スーパーになかったんですよ! 豆腐とか、そうゆうひよった物を持ってくるつもりじゃなくって!」
「いや、別に責めてないですから。おいしいですから、豆腐ハンバーグ」

 

煮汁が小麦粉の味に

「ナゲットも間違いないおいしさですね」
「でもナゲット、衣がはげて煮汁にすごい影響及ぼしてますよ」


ナゲットは大好評で追加投入が相次いだ。そして煮汁は小麦粉でいっぱいに

「たこ焼きも食べ頃を逃すと一気にドロドロになっちゃう」
「あ、タコ見つけた」
「てことは、そのタコがまとってた小麦粉部分はもう全部煮汁と一体化してますね…」


宮崎さん、佐倉さん推薦、餃子 古賀推薦、たこ焼き

「餃子もおいしい! でもこれも小麦粉系ですね」
「もう最初から小麦粉入れればいいんじゃないかって気になってきますね」
「あ! 小麦粉と言えば、私、パンも持ってきてるんでした」


べつやくさんが出し忘れていたパン

「おお、入れましょう、入れましょう」
「一応、既にクロワッサンも入ってるんですよ」
「え、うそ、どこどこ?」


林さん推薦、クロワッサン

「あ、これかな? お麩みたいになってる。(食べて)あ、バター塗ったお麩みたいだ。おいしい」
「あのう、さっき入れたべつやくさんのパン、そろそろ大丈夫ですかね?」
「いや、パンなんで、そろそろも何もないですから…」


パンに煮え頃は無い。お好きなタイミングでどうぞ。そしてまた小麦粉っぽくなってゆく鍋


加工品は鍋の力で素材に戻るらしい

「あれ、何だこれ? クロワッサンじゃないな」


何?

「(食べて)ん? ジャガイモの味だけど…」
「それポテトチップです!」


べつやくさん推薦、ポテチ

「ええ? おいしいですよ! ジャガイモみたいだ、いや、“みたい”じゃなくて、ポテチは元々ジャガイモだ。はっ! ポテチって本当にジャガイモ使ってたんですねえ」


ポテチ人気で大量投入。べつやくさんはよく味噌汁にも入れるとのこと。おいしいです

「鍋に入れると、加工された物が素の状態に戻ってますよね」
「あ、本当だ。小麦粉製品は小麦粉に戻り、ポテチはジャガイモに戻ってる」


そして闇鍋は人をも子供時代に帰らせている。
左から、飲む人、食べる人、写真を撮る人、感想を述べる人、フェンスを押さえる人。統一性ゼロ。

「パイナップルも、缶詰のシロップの味が抜けてパイナップルらしい味になってますねえ。でもなぜパイナップルなんですか?」


林さん推薦、パイナップル

「「BE-PAL」に載ってたんですよ! 肉をいっぱい食べる日はパイナップルを食べろって!」
「肝心の肉は加工品しか入ってませんけどね、この鍋」
「でも酸味が抜けてまろやかになってますよ。おいしい」

「わ、何だ? 今のカブ? カブ入れた?」
「それぬか漬けです。住さんの」


住さん推薦、ぬか漬け

「ぬか漬けの味が完全に抜けて野菜の味になってる。やっぱり、どの具も素材の味に回帰してますね 」
「これはおいしいですよ。こうゆう料理、どっかの郷土料理であったよなあ」

「この赤いのは何ですかね?」


何か赤い物が

「あ、それホールトマトです。林さん推薦です」


林さん推薦、ホールトマト

「え、だって、「花まるマーケット」でやってたんですよ! ホールトマト入れると出汁をとらなくても煮汁が美味しくなるって!」「あの、林さん、一個一個言い訳しなくて大丈夫ですから、ちゃんとおいしいですから」

お互いの持ち寄った具を気遣い、ねぎらう。これも闇鍋には不可欠なファクターだ。メンバー同士が支え合い、鍋もラストスパート。



 

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