デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


おぎわら遊技場・おまけ
 
砂丘戦隊トリレンジャーを語る

今回のゲームの背景にあるコンセプトを作者の荻原さんに聞いてみました。やっぱり深くい闇が見え隠れします。

話し手:
荻原 貴明

聞き手:
林 雄司


林:今回のゲームの背景がすごいですね。
荻原:日本じゃないですよね。
林:鳥取ですかね。
荻原:鳥取に現れたことにしましょう。
林:この悪役は?
荻原:怪人カニテングという名前です。カニと天狗の突然変異です。
林:どうやってもクロスしないですよね。カニとテング
荻原:いや、なんとなく…。昔の怪人って、なにかとなにかが合わさってるのとか多いですよね。
林:仮面ライダー系とか?
荻原:そうですね。僕の世代だとサンバルカンとかでしたね。
林:…ああ、カニテングの技は?
荻原:必殺技は、「鼻地獄」です。鼻が伸びて、人間を突き刺します。
林:名前がいいです。鼻地獄。「鼻地獄!」と心の中で叫びながらプレイしてほしいですね。
荻原:気持ちよさそうです。

荻原さん、開発中。

林:鼻地獄のほかには?
荻原:踏みつけたり、ハサミチョップが出せます。
林:とにかく強いんですよね。わるものは。
荻原:はい。人間に対しては、めちゃ強です。
林:変身するとめちゃ弱ですか。
荻原:そうです。ヒーローに変身されると、ボコボコにされちゃいます。「今までのがんばりはなんだったの!」って感じです。
ヒーローものってそうですよね…。
林:荻原さんはボコボコにされる悪者に共感するほうですか
荻原:むかしっからそうでしたねー。いつも、悪役の方を応援していました。
林:弱いものを応援するんですか
荻原:そうです。嫌われ者の哀愁みたいなものを感じていたのでしょうか。もしかしたら、自分と重ね合わせていたのかもしれませんね。
林:いや、そこまで言わなくても…。ソーシャルネットワーキングサイトの友達増えました?
荻原:ああー。ロンリィがすごく好評でして、2〜3人増えました。
出会わない系で出会っちゃったわけですね。
林:すごいですね。損して得取れというか
荻原:そうですねー!肉を切らせて骨をたつですね。

荻原さん、ハイパーオリンピックをプレイ中

林:悪者でも強いやつにはシンパシー感じないんですよね。
荻原:ああ、そうですそうです。感じないですね。結局、負けてる方を応援してしまうんですよ。
林:ゲームボーイとってくような悪者じゃなくて、弱い悪者ですよね。(荻原さんは始発の電車で悪いやつに絡まれてゲームボーイをとられた。→ 2月14日特集)
荻原:ああー。あいつは憎いです。思い出すと、ムカムカしてきます。
林:いや、まあまあ。
荻原:結局、悪いか良いかではなくて、強いか弱いかということですね。
林:戦隊ものだと悪者が勝つってありえないでしょう。
荻原:今まで見たことないです。変身中ってスキだらけなのに、なんで攻撃しないんだ!って子供の頃思ってました。
林:なるほど
荻原:で今回、僕の小さい頃からの夢を実現させる為に、このゲームを作ろうと思ったわけです。
林:そのスキをねらえ!と
荻原:そうです!変身しようとしてるとこを、ボコっとやったら、たぶん気持ちいいだろうなーと。
林:ゆがんでますねー
荻原:そうですね。でも、共感してくれる人はいっぱいいると思いますよ!
林:今回のゲームで荻原さんの長年のうっぷんを晴らすわけですね。
荻原:そうです!すっきりしたいと思います。そして、僕と同じ思いを抱えている、今の子供達にも是非プレイしてもらえればと思います。
林:ルサンチマン大特集ですね
荻原:哲学的ですね。
林:いやあ(半笑い)



しきりに荻原さんが「共感しているいまの子供」という姿に少し胸が熱くなりました。今回のゲームは、生きにくさを感じているいまの子供達へのメッセージです。むかしの僕らのような子供達へ。だめな大人からのメッセージです。鼻地獄!ゴーン。


 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.