毒蝮三太夫には裏も表もない
30分はあっという間だった。
妊婦のお腹を摩って安産祈願をしたり、お店のおかみさんに対して「伊良部みてぇだな」と言ってみたり、最後の最後まで毒蝮ワールドは容赦なく続いた。
そうこうするうち、始まり方と同じ様にいつの間にか番組は終わっていた。
番組が終わっても、毒蝮さんは周りを囲むギャラリーたちとしゃっべている。だから余計に終わったかどうか分りづらい。
それだけ裏表がないのだ。 放送されていようがいまいが、毒蝮さんはずっと僕が憧れ続けた毒蝮三太夫のままだった。
拝啓 毒蝮三太夫さま
先日は生放送の現場にお招きいただき、ありがとうございました。 今回の取材、本当は「毒蝮三太夫さんの毒舌を盗む」という切り口で構成しようと思っていました。僕も毒蝮さんみたいになりたい、ずっとそう思っていたからです。 でも、現場に行って毒蝮さんのお仕事ふりを拝見し、それは無理だと知りました。15年間、毒蝮さんに付いているハブさんでさえ「あれは、誰かが代わりに出来るってものじゃないですからね」って言っていました。一瞬でもそんな事を考えてしまい、すみませんでした。
これからも放送を楽しみにしていますので、毒舌の方、宜しくお願いいたします。