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特集


ひらめきの月曜日
 
かき揚げエブリデイ

油まみれな日々の始まり

かき揚げは安い。かき揚げは高い。 さて、どっち?

…正解は「どっちも」だと思う。

安さと早さがウリである立ち食い蕎麦屋にも、伝統と技が自慢の老舗天ぷら屋にも、かき揚げは同じように存在する。
値段はまさにピンきりだが、肝心の味はどうなんだろう? 具は? 衣の加減は? サクサク感は?

集中的にかき揚げを食べて、そのへんのところ、探ってみました。

高瀬 克子


店構えからしてシブイ、浅草にある「並木薮蕎麦」

シブイところから攻めてみた

まずは、老舗の蕎麦屋にやってきた。

天ぷらそばを注文するとエビ天が乗ってくる店もあるが、ここのはかき揚げだ。
安くない蕎麦屋(1,600円。はっきり言って高い)のかき揚げは、果たしてどんなもんなんでしょう。

天ぷらそばとお酒を注文すると、やたら愛想のいいおばちゃんが新聞を持ってきてくれた。
なんか…、嬉しい。いっちょまえの大人として扱ってくれることが嬉しくて、尻のあたりがムズムズしてくる。


平均年齢がグッと高めな店内
これは大人というよりオッサンか

蕎麦味噌を舐めながらお酒をちびちびやってるうちに、待望の天ぷらそばがやってきた。


どシンプル

この蕎麦、なんと「ピチパチピチパチピチパチピチパチピチパチピチ…」という効果音とともに登場。ものすごい揚げたてサウンドがあったものである。


具がちっとも見えないが

心なしか、揚げが小ぶりだ。それに、具の姿が全く見えない。
上品と言えなくもないが、なんというか…まるでこの蕎麦屋の概観とマッチさせているかのような、地味な見映えでもある。

でも、これがうまい。つゆも色ほどには辛くなく、揚げがあつあつで、その熱が移ってか、つゆもあつあつ。
小ぶりだと思われた揚げは、そのぶん厚みが凄かった。おかげで下の方のしんなり部門担当と、上の方のサクサク部門担当が、同時にいい仕事(食感)をしている。さすがです。

奥の方には芝エビがどっさり入っていた。
これを衣ごとツルリと食べては、またお酒をチビリとやる。


揚げがチリチリと散っていく中から芝エビ登場

…たまんねぇっス。


総評:ただのシンプルな黒いセーターが、実はカシミア120%だったかのような実力派かき揚げ。1,600円はダテじゃない。


さて次は、価格を一気に5分の1ほど下げてみよう。ここから歩いて3分の「富士そば」へGOだ。


 

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