その解消法としてスポーツで汗を流すのもいいが、個人的にはあまり努力っぽいことはしたくない。思い出すのは子供のころ祖母の家で飲んだ薬草茶だ。
なんだかおいしくない薬草茶。ただ、祖母が「これ飲んだら元気になるぞ」と断言するので、元気になったような気がしていた。
そうだ、薬草で元気になりたい。今回は薬草と真剣に向き合ってみました。
(text by 法師丸)
●薬草見分けスキル求めて
今回訪れたのは、千葉県・大多喜町にある「千葉県薬草園」。ただずまいは地味だが、約350種類もの薬草を栽培しているなど、薬草ファンにはかなり魅力的なスポットだろう。
自分は薬草でテンションが上がるほど薬草好きではないが、前向きに薬草と向き合ってみたい。
園内はいくつかの植物区に分かれていて、それぞれわかりやすくまとめられている。
祖母はそこら辺にある草を判別し、むしってお茶にしていたようだが、自分にそんなスキルはない。むやみにむしって、やばそうな雑草が混ざるのは避けたい。
だが、季節が悪かったか、あまり薬草は元気そうではない。
全体的に枯れた雰囲気漂う中、植物名が書かれたプレートにも哀愁が漂う。サフランといえば高級な香辛料だが、ここにあるのはサフランモドキ。「○○モドキ」という植物はいろいろあるようだが、どれもそれそのものの立場が無視されているようでせつない。
右のキャットミントもかわいらしい名前だと思いつつ、解説には「猫を引きつける力は弱い」とあるだけ。言うべきことはそれだけなのか。
時節柄もあってか植物そのものはあまり見られないが、プレートがあるので効用はよくわかる。用途として多かったのは利尿作用。割と普通の植物にも利尿作用があることがよくわかる。
今回は薬草で自分を変えるというテーマだが、個人的に尿の量については問題ないので今の自分には必要はない。
各植物区にはボタンを押すと解説が流れてくる機械も設置されていて、初心者でもわかりやすく薬草のことを理解できる。
ボタンの上には注意書きが。「下のボタン(グリーン)を押しますと、この植物区を簡単にご説明いたします」。わざわざグリーンと書いてあるのは、銀色の鍵穴を間違えて押してしまう人がいるからだろう。
いちいち胸に迫ってくるこのせつなさはなんなんだろう。
身近な植物にも意外な効果がある。ホウセンカは魚肉中毒に効くそうだ。小学生のとき学校で育てた覚えがあるホウセンカにこんな効き目があったとは。
魚肉中毒。魚肉が大好きで魚肉なしではやっていけない人とも取れるが、ここではそうではないと思う。
ナスはきのこの解毒。そこらに生えてるきのこを食べるときには、ナスも用意しておきたい。