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特集


フェティッシュの火曜日
 
東京の地下鉄文庫マップ

東西線
千代田線


大手町

5つもの地下鉄が交差する、大手町。ここの文庫はどんなものだろうと行ってみたが・・・。


カラ。 カラガモ文庫だ。

駅員さんに場所を聞いたら即答だったのだが。
どの駅でもそうだが、やはり場所だけは把握しているようだ。研修で教わるのか「○○出口にはカルガモ文庫があります。いちおう覚えといて、補充などできればしてください」とか。

主なラインナップ

なし

総計 0冊

 




九段下

いつ来ても、今自分が改札内にいるのか、改札の外にいるのかわからなくなる駅、九段下。文庫の置いてある広場も、茫洋とした感じの名前だ。


さざ波広場。 あっ、誰かが何か読んでる!


壁に俳句、ショウケースに生け花。

上の写真のサラリーマン風の男性のほか、女性も座っていた。地下鉄のひとやすみコーナーっていったい誰が利用するんだと思っていたが、日常に組み込まれている人もけっこういるようだ。失礼した。

主なラインナップ

・大除霊
・大金運

総計 9冊

 




神楽坂

部屋の模様替えは楽しいが、壁の幅や出入り口の開口部に悩まされることは多い。

この駅でも、デッドスペースなりに苦労があったに違いない、と思われた。


写真の左に改札があるのだが・・・


テーブルで精算をじゃましてどうする。


文庫は、なんだか重厚なチェストの上に置いてある。

いつも思うのだが、コンクリートジャングル(言い方が古い)の駅の中にあって、木で出来たものをみると、妙な気分になる。

上のチェストもそうだが、駅員のお立ち台とか、最後に購入した日はいったいいつなんだろうか。

主なラインナップ

・チボー家の人々
・好きな人から告白されたけど!
・川原汀とかっぱ会作品集

総計 62冊

 




根津

さて、淡々とご案内してきた駅の文庫、最後の最後までおつきあいいただいた皆様に、ここはすんごい!という物件をお目にかけましょう。 不忍池方面出口です。

 


なんだ、これは。

オウ!ビックリデース!思わずカタコトにならないと心のバランスがとれない。山下書店かと思いましたよ(駅の、棚売りだけの本屋チェーン)。とにかく本が詰まっている。


「ア行」とインデックスまで作ってある。


運転席?から外を眺める。


パンタグラフ。何のために。


本というより、電車を愛する人の仕業だな、こりゃ。

聞けば、この辺の人がどんどん持ってきてくれて、そのうえ1日1回、ボランティアで必ず整理してくれる人もいるそうだ。

この什器はどうしたかというと、「こういうこと好きな駅員が、材料買ってきて作ったんです、パンタグラフは本物じゃなくて廃材で」とのことで、あくまで善意の産物であったのだ。しかなんと大いなる善意であろうか。

主なラインナップ

記載不能

総計 カウント不能

 

まとめ

本の冊数の多いTOP3

寂寥感TOP3

なぜこのレイアウトTOP3
1.根津 カウント不能
2.四谷三丁目 140冊
3.新中野    83冊
1.千川
2.平和台
3.永田町
1.四谷三丁目
2.神楽坂
3.平和台

 


駅の文庫の今をざっと調べてみたのだが、どこでも漂う感じは、本のラインナップの唐突感だ。

全集が置いてあるその上には少女小説が無造作に。せっせと読み終わったものを持ってきてくれた隣には、途中で投げ出した教材が。

それらが、整理されることなく一挙に棚に並ぶ様は、文庫ならではだ。

新しい駅の、人間を排除するかのようなつるつるの石だらけの建築に寒気を覚える私だが、そこにクタクタのスチール棚を置いて、本を集めてみよう。

一気に親しみを感じる駅になることは間違いない。できれば台帳もつけて。



 

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