●撮影準備!
柳さんと写真の仕上がりの雰囲気について打ち合わせる。
新宿紀伊國屋書店2階の雑誌コーナーで、パラパラと本をながめる。
「……こういう作った写真は、かえってアマチュアっぽくなりますよね」
「プリクラ写真みたいになっちゃいますよね」
ビジュアル系バンドの雑誌の写真……は、だめだ。
「やっぱロッキング・オン社の雑誌っぽいほうがいいですかねえ」
「ですかねえ、ちょっとアート寄りで、空気感重視で」
「じゃあこっち方面で」
「撮影場所、とうしましょうか?」
「スタジオじゃなくて、っていうか予算の都合上、スタジオなんか使えないんですけど……いかにも気合い一発撮影の、ロケに使われがちな場所がいいですねえ。下北沢の、長い歩道橋のところとか、信濃町のほうの、中央線高架下のトンネルとか」
「いいですね。あ、中目黒あたりはどうですか? 目黒川ぞいとか」
「お洒落カフェの前とかでも撮れますね」
「品川の、埠頭のあたりなんかもいいですね……。僕、ロケハン(ロケーションハンティング、撮影場所の下見)しておきますよ!」
……そんなこんなで、モロモロが決まった。
以下、関係者に配付したスケジュール表だ。
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お世話になります、大塚です。
撮影日のスケジュール、決めましたのでお知らせいたします。
12時 中目黒駅集合
坂本さんの撮影
設定:アーティスト兼俳優(福山マサハルを若くしたような感じ)
*できるだけかわいく撮影します。
川沿い、服屋の店の前、公園などで撮影
撮影後、15〜20分ほどの軽いインタビュー
13時30分 中目黒駅
堂本さん合流
設定:劇団主宰者
*できるだけかしこそうに撮影します。
カフェ、ビルの階段、公園などで撮影
撮影後、15〜20分ほどの軽いインタビュー
15時 中目黒でタカセさん、古賀さんと合流。
カメラマンさんの車で移動後、信濃町のほうにある地下道で撮影、
そのあとまた移動して埠頭のほうで撮影、 夕暮れをバックに撮影。
設定:某有名ミュージシャンの愛人とその妻、その妻の前妻の連れ子が音楽的に意気投合して生まれたバンド。音はシャッグスとスリッツの間。
*できるだけカッコよく撮ってもらいます
ご自分の撮影時間のみに来ていただいてもかまいませんし、最初から撮影自体を手伝っていただけるのも嬉しい感じです。
衣装ですが、やってもらえる方がみつからなかったので、できるだけテーマにそった私服を着てきてください…。すみません。
天気は大丈夫そうなんですけど、防寒だけはしっかりしてきてください。
とくにバンドのほうは撮影が夕刻になると思いますので冷え込むこと必至……ご注意ください。
またメイク係として、デイリーライターの佐倉さんがお手伝いに来てくれることになりました。
では当日、よろしくお願いします。
何かあったら大塚の携帯までご連絡ください。
090-****-**** |