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ひらめきの月曜日
 
自分の会話リスニング

実家、夕食のすき焼きをレコーディング

世界一気の置けない場所、実家である。砕けたセッション(会話)がレコーディングできることに期待したい。

帰ってみるとおあつらえ向きに夕ご飯はすき焼きだった。会話のある食卓といえば、鍋。鍋を囲む私と弟(中2)と母の会話とは。


レコーディング、スタート

タイトル:スキヤキ(sukiyaki.mp3)
母と中2の弟と私。テレビではいかりや長介さんの追悼番組が

(文字色黒:私)(赤:母)(青:弟)

「なんかすごい好きだよね」

「あ、うー、ドリフ?」
「だって、今さ、今の時間さ、裏で伊東家とかやってるのにさ、この番組を選ぶふん」
「でもこうもう、中学生ー、伊東家えらばな、選ぶ?ふつう」
「選ばないよ」

「あー、白滝たべるーしらたきー(注1)」

「春のすきやきだね」
「そうだね、ぬ、ぬ、なんかあるものー」
「うんー」
「ぐしゅ」

菜の花だの竹の子だのニンジンだの

「よいしょ(注2)

「いただきまーす」
「あい」

「それはー、すぐ、た、すぐ、あれに火がとおるからね」
「え? 菜の花?」
「うん」

「あ、本当だすごい柔らかいね」

「はい、大丈夫よ、肉」

「すごいもってったね」
「ふふ」

「よいしょー(注2)

「ワイン飲む? 白ワイン」
「あー、飲むー」

「なんかさー、赤坂のラーメン屋でー」
「うんー」
「独自にラーメンをねー」
「白ワインとさトマトジュース合わせるとおいしいの(注3)
「え、まじで?」
「このワインおいしくないから」
「白ワインとトマトジュース合わせると美味しいの?」
「やってみる?」
「え、ほんとに?」
「うん、おいしよ」
「え、だれ、どしして、だれ、どし、誰に教えてもらったの?(注4)
「やって、やって」
「え? やってみたらおいしかったの?」

「しょくー、食塩の入ってないトマトジュース」
「へえー、やってみる」

「クラスでドリフ見てる子とかいんの?」
「うん、う」

(母、トマトジュースとワイン持って来る)
「やっ、ちょっと入れるんだ」
「いれる?」
「んん」

「え、お母さんが開発したの?」

「え? なんでなんでそいうことやってみたの?」
「え、いなんとなく」
「なんとなく」
「ちょっとかきまぜて」
「はーい」
「こぼさないように」

「うっはははっ(ドリフのコント見て)」(注5)

「あれ、」「(トマトワイン飲む)えーなんかさー」「殻がはいってるこれ(注6)こまね「なにー?」「こまねち(注7)

「トマトとワインの味がするけど」
「うわっはっトマトとワイン? そのまんまだ」

問題の品


「うーん、なんか」
「よくかきまぜた?」
「うーん」

「めったやたらなんだけど(注8)、これ、昨日広島で買ってきた」

「なんかお母さん広島行くとさあジャコ買ってくるっていうか」
「うーん、だってあれ、ジャコがあれなんだもん名物なんだもん」
「あ、そうなんだー、」
「あの瀬戸内海のじゃこ」
「うん」

「他にないんだもん」
「へー」

考察
家族なだけに全員気の置けない奔放な会話ぶり。間も多い。コスメカウンターの会話が会話をしようと努力している感じがするが、こちらはそのつもりゼロである。

注1:やはり家で人は歌う
注2:録音中何度となく出てきた「よいしょー」。鍋をとるために立ち上がり、着席するたびに発声した模様
注3:ラーメンの会話、見事に断絶
注4:なんでこんなに興奮?
注5:会話にまるで参加せず、ドリフに注目
注6:自分のことでいっぱいいっぱい
注7:言ってる気がする
注8:何が「めったやたら」なのか

これが緊張感ゼロの家族の会話というものか。

続いても家族の会話から。どうやら最近やや反抗期を抜けつつある高2の弟が帰ってきましたのでセッションしてみます。曲は「明日も早い」「納豆」「新聞のマンガ」。聞いて下さい。

なお、二杯目からのワインはトマトジュースを入れずに飲みました。



 

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