●オープンマインドでエニウェア睡眠
筆者の住む千葉県・南房総は現在菜の花が見ごろ。適当にぶらぶらしているだけでも、そこかしこで黄色く咲き誇る様子が目に入る。春というのはこんなにも輝かしいものだっただろうか。
うん、寝てみたい。自然の愛で方がいつもと違っているが、これが自分流のネイチャーライフだ。
アウトドア雑誌には載っていないやり方で自然と一体化。バーベキューセットやテントは必要ない溶け込み方。いつもの布団があればそれでいい。
目を閉じればいつもの布団の空気。目を開ければきれいな菜の花。やってることはむちゃくちゃだが、もたらされている結果だけは夢の世界のようにすばらしい。
●布団の国からこんにちは
続いて訪れたのは、丘一面にヤギを放し飼いにしている施設。
かわいい。いつも眠そうにうつろな目にも共感を覚える。「中にはいってヤギと遊ぼう!!」と言ってくれているが、遊ぶ元気はあんまりない。とにかく寝たいのだ。
布団を敷き始めると、ヤギたちは少しあとずさりしたように見えたが、それほど動じている風でもない。悪意のないことはわかってくれているだろうか。
目をつぶれば牧草のにおいが心地よい。耳をすますと遠くに聞こえるヤギの声。
いや、耳をすまさなくてもヤギの声ははっきり聞こえる。
ヤギが布団の中の僕を見ている。夢か。いや、まだ眠りについたわけでもないのに、夢など見るはずもない。
●間違った自然の満喫のしかた
次にやってきたのは山あいにある棚田。段々になった土地に規則正しく田んぼが並ぶ様子は、不思議な雄大さと美しさがある。
あまりにも美しい絵を見ると、その中に入ってみたいと思うことはないだろうか。個人的にはそういう経験は今までないが、ここではそんな私でも風景の中に入ってしまうことができる。
雄大な景色の中に布団をしいて寝転ぶと、心まで大きくなったような気がする。しかし、心が大きくなったところで、やってることは寝てるだけだ。
大体、心が大きくなったような気がしているだけで、別に大きくなんかなってない。錯覚もはなはだしい。
しかし、錯覚だなとわかっていてもこれまでにない形でスケールの大きい風景を満喫。次は街の方にも繰り出してみよう。