デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


フェティッシュの火曜日
 
発泡酒を作ろう

発泡酒が発売されたとき、かなり不思議な感じがしたのを覚えている。なんだ、発泡って。サワーみたいなものだろうか。だけど飲んでみたらビールだった。発泡酒とは成分の違いで税金を安く出来る代わりにビールと名乗らない酒のこと、と知ったのは後のこと。

発泡酒とビールとの違いは主に麦芽の量にあるらしい。麦芽の量を減らせば酒別上雑酒とみなされ、税金が安くなる。税額を安く抑えるため各メーカーは必死で新しい成分を研究開発しているとのこと。

ということで僕も新しい発泡酒を作ってみることにしました。安易に。

安藤 昌教

作ったらだめらしいです

ビールってそもそもどうやって作ったらいいのだろう。いろいろ調べてみると、あるわあるわ、世の中には自分でビールらしきものを作ってる人ってすでにたくさんいるのだ。そして自家製ビールキットなるものまで売られているではないか。ぜんぜん目新しくない。だけどどのサイトにも注意書きのようなものが書かれていた。

「日本では個人での酒の製造は法律で禁じられています」

だめなのだ。だからキットとかでも糖分量を減らしてアルコールが1パーセントを超えないようにしてくださいとか書かれているのだ。みんな守っているのだろうか。まあどちらにしろ公のサイトで堂々と違法なことするわけにもいかないだろう。やばいなこの企画、ぼつりそうだ。

だけど酒を造ってはいけない、というのは原料を醗酵させてアルコール分を精製してはいけないということだ。ならば市販のアルコール分を使って作る分には問題ないはず。要するにカクテルと同じだ。これでいきたい。これで発泡酒業界に殴りこみたい。

 

お茶が発泡酒になるなんて錬金術みたいだ。

まずは材料探しから

まずは混ぜると発泡酒になりそうな材料を探す。発泡酒の条件としては

・黄色くて
・発泡していて
・ちょっと苦い
・お酒

この条件に合う材料を調達する。

まず黄色。これはもう間違いなくお茶だろう。スーパーでいろいろなお茶の色を比べたが、一番黄色かったのがこれ、沖縄名物うっちん茶。うっちんとはウコンのことだ。こいつ、黄色くてほのかに苦い。すでに二つの条件を満たしている。


いつかラジオに出たときに出演料として現物支給されたやつ。

次の条件、酒であること。純粋なアルコール分を、ということではじめはエタノールを使おうかとも思ったがまずそうだったのでやめた。飲めなきゃ意味がない。

ということでここも沖縄らしく泡盛に決定。アルコール度数30度。


苦味、といえばゴーヤでしょう。

苦味に関してだが、うっちん茶だけでもかすかな苦味はある。だけどよりビールテイストを強めるためにはもう少し切れのある苦味がほしいところ。ということであといくつか苦味候補を調達した。

ゴーヤは苦瓜といわれるだけあって完全に苦い。それからウコン茶の強烈そうなやつもゲット。これらでホップの苦味に対抗していくことにする。


ウコンも忘れちゃならねえ。
名前からして苦いのかと思って買ったにがり。なめたら苦いというよりしょっぱかったので却下。

 

で、発泡はどうしよう

これで一応発泡酒の条件はそろった。いやまてよ、一番大切なところを忘れてないか。そうだ「発泡」の部分だ。発泡しなけりゃただの酒だろ。

素直に炭酸水を買おうかとも思ったが、炭酸水のあの発泡具合は発泡酒には弱いのではないか。というかそれでは普通に泡盛のお茶割りサワーだろう。思い悩みながらジャスコ店内をうろついた。東京近郊のライターが悩んだときにハンズへ行くように、沖縄在住の僕は悩むとジャスコをうろつくのだ。



 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.