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チャレンジの日曜日
 
なんでこんなもの買ってしまったんだろうお宅訪問

なんでこんなもの買ってしまったんだろう、3人め。

お名前:河野さん
お住まい:神奈川県(横須賀市)
無駄なもの:十手(名古屋みやげ)



三浦半島の地図。丸で囲んでいるところが久里浜あたりです 。
十手にしゃちほこが 。
無駄になった買い物を見せられるときが来て嬉しそうな河野さん 。
同じ名古屋みやげのえびふりゃーキティ。これも「なんでこんなもの」な一品だ。
河野さんのお母さんにスイカをご馳走になってしまいました。本当にありがとうございます。おいしかったです。
河野さんのお母さん。今回の企画の趣旨はよく分かってらっしゃらなかったようですが本当によくしてくれました 。
ペリー。

続いては今回の訪問者の中で最南端に位置する横須賀市は久里浜にお住まいの河野さん宅に伺った。河野さんは名古屋に遊びに行ったときに、名古屋城でなぜか十手に引かれて買ってきてしまったそうだ。それ以来ずっと「なんでこんなもの買ってしまったんだろう?」と思っていたけど、今回やっとこういう形で日の目を見る事になって嬉しい、と語ってくれました。

すれちがう会話

河野さんと僕は同い年という事もあってか、ずいぶん話が膨らみました。でも、なぜか、会話が微妙にちぐはぐになっていきます。インタビュー用のテープを聞いているとかなり変な会話をしている。

梅田:いやー、何の変哲もない十手ですねー……。
河野:実は先っぽにしゃちほこがついてるんですよ。
梅田:ほんとだ。唯一名古屋っぽいですね。でも十手とかって集めてる人居ないですか?
河野:居ますか? ちょうちんとか集める人居ますよね。
梅田:あー、ちょうちん。あと、なんかこう三角形のやつ。
河野:あー、なんだっけ。ぺ、ぺ……。
梅田:ペナント……あれ? 違うのか?
河野:タペストリー?
梅田:タペストリーじゃないですよ。タペストリーって何でしたっけ?
河野:ペナントじゃなくて、ペイントじゃなくて……
梅田:えーっと、あれですよ。ペナントじゃないかなー。
河野:いやいや、違いますよ。
梅田:僕、何かと混同してますか? “テナント”?
河野:あーそうだ、テナントと間違えてるんだ。
梅田:テナントは店舗だ。
河野:やっぱりペナントでいいんじゃないんですか?
(顔を見合わせる)
河野:バカが二人居る(笑)。
梅田:ぺ…ぺ……
河野:タペストリーじゃないんですか?
梅田:タペストリーじゃないですよ。タペストリーって何だっけなー。
河野:タペストリーって棒がついていて垂れ幕みたいなのをタペストリーっていいます?
梅田:いや、タペストリーってなんだろ?
河野:今までタペストリーってそれだと思ってました。
梅田:やっぱりペナントじゃないのかなー?

賢明な読者の方はペナントとタペストリーが何かは分かると思うのですが、万が一のために用語解説を。

ペナント→観光地で見かける細長い三角形の旗。
タペストリー→つづれ織りの壁掛け、タピストリー。

すれちがう会話2

話題は十手から、横須賀・久里浜の地元話になり、久里浜の地に上陸したと語られるペリーの話になりました。そして再び僕の無知っぷりが明らかになります。テープに残ったダメな会話をお聞きください。(※もちろん、かなり間違った事を話してます)

梅田:そういえば久里浜ってペリーが上陸したところなんですか? 駅を降りたところでペリー記念館という看板をみたんですが?
河野:そうなんですよ、久里浜はペリーが上陸した街なんですよ。
梅田:ペリーって浦賀にやってきたんじゃないですか?
河野:あ、浦賀にも来たし、久里浜にも来たんです。
梅田:え? 違うよ、ペリーは浦賀だって。
河野:私が思うに、ペリーはたぶん2回ぐらい来てる気がするんですよ。
梅田:……新説ですね。ツアー組んで日本にやってきたんですか?
河野:たぶん3回ぐらい日本に来てて
梅田:3回も来てるんですか?
河野:最初、長崎に来た気がするんですよ。
梅田:え? 長崎に来たの? 出島か何かに?
河野:そうそう。で、出島行ったら横浜に行けみたいな事言われて、で、浦賀に来たんですけど。で、久里浜もやたらペリーを祭り上げてるんですけどね。
梅田:じゃあ久里浜は嘘なんですか?
河野:いや、わかんないです。私の考えでは、開国しましょうって浦賀にやってきて、その後もう一回詳しい打ち合わせをしに久里浜に来たんじゃないですか?
梅田:久里浜に? 久里浜に幕府の偉いさんを呼んだわけですか?
河野:たぶんそんな気がするんですけど。
梅田:浦賀に着いたのは間違いなさそうですね。
河野:ですねー。でも久里浜にも来てます。
梅田:じゃあ久里浜にちょっと寄ったんですかね? 燃料なくなったかなんかで。
河野:いや、そんなんじゃないかと思います。ちゃんとした御使いで来たんだと思うんだけどなー。
梅田:久里浜は昔から港があったわけですか?
(しばらく沈黙)
梅田:いやー、僕も歴史弱いんでねー、ものすごい記憶が曖昧なんですよね。
河野:もっと勉強しとけばよかった……。
梅田:えーっと、ペリーは開港を要求して、で、確か5つぐらいの港が開港するわけですよ。横浜、長崎、あ、あと神戸と……。
河野:大阪?
梅田:いや、大阪じゃないです。何か北のほうじゃないですかねー。函館? そうだ、函館だ。
河野:それはなんか別の話じゃないですか? 西回り航路東回り航路みたいな
梅田:いや、それはまた微妙に違う話だと思うなー。そっちは江戸時代ですよね。あ、ペリーが来たのも江戸か。ペリーが来て、ちょっとして昭和になったんですよね? あ、昭和じゃないや、明治だ。
河野:昭和?(笑) 
河野:話せば話すほどボロが出てきますね。
梅田:また読者から梅田君はものを知らないって言われちゃうんだろうなー。ちょっと調べておきます、家に帰ったら。
河野:せっかくだから確認しに行きますか? ペリー記念館に。ここから近いんですよ。
梅田:いいですね。

ペリー記念館に向かう間も、ペリーは久里浜に来てから徒歩で浦賀に行ったのでは? などトンデモな意見が飛び出しました(主に僕の口から)
ほんと学校で習った歴史って断片しか覚えてないですよね。


というわけでペリー公園、久里浜の海岸へ。


ペリー上陸記念碑。 久里浜。潮風が心地よかったです。

ペリー上陸記念碑に行ったところ、ペリーが久里浜に上陸したというのは紛れもなく事実のようです。この時、久里浜に上陸したペリーは浦賀奉行所に大統領の親書を提出したそうです。つまりペリーの交渉にあたったのが浦賀奉行所である事や、この辺一帯を浦賀沖と呼ぶ事などからペリーがやってきたのは浦賀であるという認識が一般化したようです。
参考『横須賀を歩く ペリー上陸記念碑

実際に海に行ってみるとそんな事よりも久里浜の潮風が心地よかったです。すいかもいただいて(ほんっっとうにありがとうございます)なんだか夏を謳歌した一日でした。


まとめ

・十手はなかなか利用法が見当たらないので無駄な買い物になる事が多い。
・ペリーは浦賀沖の久里浜にやってきた。



 

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