たとえば上のもののように、給水塔とは思えないラグジュアリーな物件はいまでもいくつか現役で稼働しており、「野方給水塔」「駒沢給水所」など給水塔を語る上では押さえておくべき定番というものが存在する。小説や映画などにもよく登場し、マニアのみならず人気が高い。
しかし、団地マニアであっても同潤会アパートに興味がないのと同じ理由で、ぼくにはこういう物件に興味がない。ぼくはもっと地味でどこにでもありそうなものにグッとくる性癖をもっているので、これらの巨大な物件はパスしたい。クラス一番の美人で巨大な物件を持った子より、どこにでもいそうな地味な子にグッとくる、と言えば分かるだろうか。よけい分かりませんか。
それにしてもこのデザイン。たぶん当時の水道事業は一大花形産業だったのだろう。つまり、当時の六本木ヒルズみたいなものなんだと思う。 |