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特集


ロマンの木曜日
 
お神輿でハイテンション

過去に一度だけお神輿を担いだ事がある。学生時代のバイト先にお祭り好きな先輩がいて、人手が足りないからと、お神輿を担ぐ事になったのだ。最初は戸惑ったものの、お神輿と一緒に町を練り歩くうちどんどんテンションが上がっていくのが分かった。
お神輿楽しい! と、その時はかなり興奮したのに、あれから一回も担いでいない。
久しぶりにお神輿を担いでテンションを上げたい。

という訳で、お祭りとは関係なく、日常生活の中でお神輿を担いでみました。

(text by 住正徳


宮本卯之助商店
倉庫の扉がゆっくりと開く
出て来た神輿。ち、小さい
組み立て方を伝授してもらう
衣装も調達

お神輿をレンタルする

そもそも、お神輿をレンタルする事は可能なのか?
調べると、東京浅草の「宮本卯之助商店」というお店でお神輿を貸している事が分かった。町内会のイベントなどでの貸し出しが多いらしく、早速、お店にお邪魔した。

今回は3名で担ぐ予定なので、なるべく小さいお神輿を見繕ってもらう事にしたが、裏の倉庫から運ばれて来たお神輿は想像以上に小さかった。

確かに小さい神輿を、とお願いはしたがこれではあまりにも小さ過ぎる。もう少し大きいものはあるかどうか尋ねると、これでも35キロもあるという。35キロ以上となると3名ではきつい。子供神輿でいくことにしよう。

お店の外で神輿の組み立て方を教えてもらう。
お神輿本体は6本の棒で支えられている。一番長い親棒が2本、その両脇に脇棒が2本、その4本を横に支えるトンボが2本。それぞれ出っ張りと穴があるので凹凸をはめ合わせて軽く固定し、最終的に麻ヒモで固く結ぶ。組み立て自体は簡単だった。

あとは持ち帰り、お神輿を担ぎたい場所に繰り出せばいいのだが、ここで一つ気になっていた事を質問してみた。

お神輿は神様の乗り物と聞いている。
お祭りでもないのにお神輿を担いで罰は当たらないのでしょうか?

「それは大丈夫ですよ。お札を入れてませんから」

本当のお祭りでお神輿を担ぐ場合、神社からお札をもらって来てお神輿の中に入れるらしい。今回借りるお神輿は入れ物だけなので、余興で使ったとしても何の問題もないのだ。

これで安心だ。
気兼ねなくテンションを上げていける。

「宮本卯之助商店」さんの近所にあった祭り用品店で衣装も買い揃えた。半天、サラシ、半股引(はんだこ=ショートパンツ)、足袋。

祭り用品店のおじさんに「どこのお祭り?」と聞かれ、特にどこでもないとは答えられず「あ、麻布です」と答えておいた。

そうですか、麻布ですか。と、おじさんは満足そうに頷いていた。麻布には古い友人が住んでいるらしく、麻布のお祭りについて更に突っ込まれそうになったので、逃げる様にしてお店を出た。

お祭りではありません。
ただお神輿を担ぎたいだけなのです。



 

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