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特集


はっけんの水曜日
 
湿るとうまい

頭いてえよ。

そして最終日

ここで一気に時間を置いて約3日が経過した。けっして忘れていたわけではない。風邪を引いたのだ。強烈な頭痛に襲われながら昼まで寝ていて、起きたらテーブルの上に湿ったお菓子が広がっていた。シチュエーション的にはじめの僕の目指すところにたどり着いたとも言える。死にそうだが、食べてみる。

この状態から力を加えると。
キュっと曲がる。

キャラメルコーンは見事に湿った。あの形のまま上下に力を加えると割れることなく曲がる。完成形と言えよう。食べてみる。メリッ、メリメリッ・・・。だらしのない食感が曇った意識を癒していく。

ああ、やっぱりうまい。

3日の猶予を与えたにもかかわらず他のお菓子は相変わらず中途半端な湿り具合だった。かっぱえびせんにおいては食感が少し重くなり歯に残る感覚こそ増したが、未だ深いところでサクサク感を持続させている。カールも同様。スティックがへにょっと曲がるくらいの絵を期待していたのだけど曲げたらなんなく折れた。


湿らせてもしみせんべいにはなりませんでした。

せんべいはべとべとになった。食べると若干の湿りを感じるものの、しょうゆコーティングのおかげかサクサク感も持続している。やはりあの日のしみせんべいとは別物だ。


おまえ、やっぱりうまいな。

今回大きな収穫だったのがチョコチップクッキー。18時間経過後くらいから急激に湿りはじめ、今ではもうつまみ上げるのもやっとなほどぽろぽろになった。しかし食べてみるとこれがなぜかうまいのだ。口に入れた瞬間にクッキー生地がこぼれ落ち、チョコだけが残る。

対して失敗だったのがピスタチオとポッキー。湿った豆はもう女王の貫禄を持ち合わせてはいなかった。咬もうとすると湿気で弾力の増した豆が割れずに反発し、あやうく歯が折れそうになる。ポッキーはチョコが溶けて一つにまとまり、湿った持ち手の部分だけがぼそぼそと折れ落ちた。


あたりまえのこと言うぞ

サクサクが売りのお菓子からサクサク感を奪うと純粋に味だけの勝負になる、かと思いきやそうでもなかった。ヒット商品だけあって全体的に味はどれもうまいのだ。それに加えて歯ごたえ、食感というのは実に重要な要素なわけで、それを湿気で台無しにしてしまうということはお菓子本来のうまさを犠牲にしてしまうことになる。試しに比較用に買っておいた新しいお菓子と食べ比べてみたのだけど、言うまでもなく湿る前の方がうまかった。

まとめと考察

結果としてもともとうまいものは湿ってもそこそこうまい、ということがわかった。僕が湿ったキャラメルコーンが好きなのは、もともとのキャラメルコーンが好きだからだ。そして湿ってもうまいものというのは、湿る前はもっとうまい。やっぱりお菓子は開けたてを食べきるべきだということです。



 

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