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特集


フェティッシュの火曜日
 
懐かしの型抜き屋を出店!
あーあ。

「型抜き」という遊びがある。右の写真のように溝で絵が彫ってあり、その輪郭のとおりに針で「型抜き」するものだ。

私が子供のころは祭りのたびに「型抜き」の屋台が出ていた。見事型抜きできれば、その絵に応じた配当がもらえるとあって、熱くなった私は少ない小遣いをそれに注ぎ込んだものである。

そんな魅惑の型抜きの屋台を、日曜に公園で1日営業してきました。屋台の「向こう側」に立って、うさんくさい「屋台のねえちゃん」になってきました。

乙幡 啓子

あっけなく出店

「型抜き」の屋台を出す。いきなりなぜそんな局面になったかというと、どうにも生活が困窮してきたからだ。

というのは嘘だ。ある日読者の方から1通のメールをいただいたのだ。

「型抜き遊びの屋台を、俺は自分で出してた事があるのです。」
一瞬本職のテキヤさんかと思いきや、まったく関係なく独自に出していたらしい。しかも学生時代にバイトの一環として。なんという独立精神だろう。

とにかく、あっという間に出店当日。井の頭公園に集合だ。


吉祥寺駅から丸井の横を抜けて井の頭公園へ。晴天の日曜10時は、すでに結構な人出。

公園の中で、今回メールをくださった有也さんと対面。彼は子供のころから型抜きに接し、キャリアはもう20年だそうだ。私など、遠い小学生のころ年数回の祭りのときしかやっていないのに。しかしなんでまた屋台を?

「型抜きは昔から好きだったので、自分で勝手に店を出しちゃおうと思って。」

「出しちゃおう」でほんとに出すところがすごいと思う。
のんびり自分のペースでできるから楽しいんだ、とも。私も屋台の店番なんて初めてなので楽しみだ。

ところで、型抜き屋をやるのに必要なもののリストがこちらである。

* 型抜き配当表
* 型抜き菓子
* 画鋲
* 100円玉用コインケース・・・あるとちょっと便利
* ビニールシート・・・お客さんが荷物を置いたりする場所としてあると喜ばれる
* 看板
* ビールケース・・・コレをベニヤの下に置く
* ベニヤ板
* イス・・・あれば便利

他のお店とお店の間にかろうじて1店分のスペースを見つけ、出店準備にとりかかる。私はほぼ見てるだけである。


ベニヤ板が一番大物だ。
DIY店で切ってもらったとのこと。ビールケース代わりにベニヤを組み合わせて足にするそうだ。さすが。
このように置いて、型抜き台にします。
手書きPOPで大きくアピール。
これも手書きで、適度な力の抜き加減で。

ここ井の頭公園に集合したのは朝の10時だったのだが、遊歩道沿いにはすでに他のお店がずらーっと並んで、出店準備をしていた。かなりの店数である。それを見るだけでも、浮かれ度が徐々にアップしてくる。

他のお店の様子はまた後ほど。

30分くらいでお店の体裁が整った。拍子抜け、といっては失礼だが、ベニヤをこう組み合わせるだけで、お店自体は簡単にできてしまうんだなと感慨深い。

さて、ここからが商売である。どのようにお客を呼んで、接していくんだろう。

有也さん曰く、「なるべく店のにいちゃんは、うさんくさい感じで、気合をいれてないほうがいいんですよ」とのことで、彼は今日はサングラス・ニット帽・上下揃いのスポーツウェア。うん、確かにうさんくさい。

さあ、今日の営業は果たしてどうなることでしょうか。


そして気のない感じで。

 

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