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特集


ちしきの金曜日
 
Suicaだけで暮らす一日

ホテルメッツ田端に泊まる

田端に住んでいる知り合いの情報によると、JR田端駅の近くに Suica で泊まれるホテルがあるという。

衣食住の「住」といってふつう連想するのは、家に住むことだと思う。でも、ホテルに泊まるというのも十分「住」の範囲にはいる選択肢だ。げんに、映画評論家の淀川長治さんは後年ずっと都内のホテルに泊まって過ごしたというし。

ひとつ問題があるとすれば、ぼくは淀川さんと違ってホテルで暮らすお金も理由もまったくないということぐらいか。

何はともあれ、まずは田端へ行ってみることにしよう。


田端駅を降りると、すぐそばにそのホテルはあった。JR東日本系列の「ホテルメッツ田端」だ。
これが入口。こじゃれてて綺麗ざます。

中に入るとたしかに Suica で泊まれるという旨のポスターが。

入口はとてもきれいだった。いい雰囲気だ。

ロビーに入って料金を確認すると、シングルが一泊8800円とある。予想より高くてちょっとびっくり。

ただし Suica を使う場合に限り一割引になるうえ、特典として Suica ペンギングッズがもらえるらしい。

ペンギングッズ・・。だれかペンギン好きの人にでもあげることにしようか。

 

フロント。係の方によると、Suica で泊まる客はめったにいないらしい。やはりか。

フロントには係の方が二人いらっしゃった。

辺りの撮影の許可などをいただきつつ、改めて Suica での支払いについて話を伺った。やはり泊まる場所はここしかないだろう。

受付用紙に自宅の住所を書いていると、ホテルの場所と自宅との近さをあらためて実感してしまう。こんな近所のホテルで8000円ちかく払うぼくは、どこの家の可哀相な子なのか。

いや、違う。なんという贅沢だろうか。

そしてフロントには見慣れた読み取り器が。Suicaをかざしてシングル一泊料金を前払い。
これは Suica 利用時だけにもらえる特典のペンギングッズ。中身はアメとメモ帳とティッシュ。



泊まった部屋はこちら
静かで落ち着いた部屋。このあと仮眠をするつもりで横になったら本当に朝まで寝てしまった。

というわけでさっそく部屋へ。

入ってみると中はごく普通のビジネスタイプのホテルの部屋だ。ベッドに机にテレビに冷蔵庫。でも静かだし、田端からの夜景という普段あまり取り上げられない視点を楽しむことができる。

テレビは、よくあるように有料チャンネルが選べるようになっていた。せっかくなので見てみたかったのだけど、そのためにはプリペイドカードを買う必要があって、それは Suica では支払えないのだった。残念。


今日はいちにち歩いて疲れたので、とりあえず甘いものを食べる。品川駅「ANDERSEN」で買っておいたスイートポテト。180円。
秋の夜長、たまにはホテルで本を読みながら過ごすのはいかが。手にしている本は三省堂書店有楽町店で買った「死ぬかと思ったH」(田中圭一著、アスペクト刊、原案協力林雄司)。1050円。

現時点ではSuicaだけでは暮らせません

というわけで、現時点ではSuicaだけで暮らすのは相当きびしい。そもそもホテル暮らしが前提だし。

とはいえ、Suica周辺の動きは加速している。Suicaの機能を携帯電話に載せるという「モバイルSuica」のサービスは2006年1月に開始が予定されているし、Suicaと同様の技術を使った「Edy」など、他のプリペイド式のカードも利用が広がってきている。

よりいっそう生活に浸透していくことが予想されるこれらの技術。「Suicaだけで生活したい」といった余計な考えに惑わされることなく、たんたんと向き合っていきたいものです。

翌朝、泊まった部屋から池袋方面を臨む。♪は〜るかにのぞむ〜、サンシャインよ〜(てきとう)。

 



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