……単に私が、魚知識に無知なだけだったのですが。
ショックでした。
なんか味が濃いい理由が分かった気がしました。
なまず、あんな可愛いキャラクターなのに、結構ハードコアな生き物なんじゃないですか!
10匹の赤ちゃんの中で、ほかの9匹をバトル・ロワイアルして、成長したなまず。
それをさらに食べてるわたくし。
ちょっとした小宇宙。
なんとなく合掌したい気持ちになりました。
食べ終わり、なまずショック状態のまま、駅まで歩きます。
郊外の道ばたには、気が付くと、菊ばっか咲いている気がしました。
キクやら、
人んちの庭先の花を、
「きれいだな……」とかじみじみ思っちゃう時って、だいたい弱ってる証拠。
駅前には、なまずグッズ店「ラッピーランド」がありました。
うーん、かわいいのになあ……。
おみやげを適当に購入して改札口まで行くと、髪の毛をジャニーズ風にギザギザにした、お洒落げな少年が、チェックのマフラーを首に巻いて、人待ち顔でぼけーっと立っておりました。
(きっと彼は、この、なまず以外なんにもないこの町のことを、愛したり憎んだりしてるんだろうなー、私が故郷の町を、愛したり憎んだりしてるのと同じようにさ!)
と勝手に想像しながら、帰りました。
(……ああ、やっぱりアルゼンチンくらい遠くに旅に出たいなあ!) |