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ロマンの木曜日
 
「いらっしゃいませ」を鑑賞する

こういう高級感のあるオトナ向けフロアでは特徴のある「いらっしゃいませ」を聞くことができなかった。

今回「いらっしゃいませFEMME」収集のため、いくつかのデパートをめぐったのだがそこで興味深い事実を発見した。それは「いらっしゃいませFEMMEはヤングファッションにあり」ということだ。

大きなデパートだと、婦人服はそのターゲットごとにフロアを分けている。「婦人服キャリアのフロア」「ヤングの婦人服フロア」などというように。マダムを顧客としたオトナのお店では「いらっしゃいませFEMME」どころかそもそも「いらっしゃいませ」を聞くこと自体が少ない。年齢が下がっても落ち着いた雰囲気のお店ではごくごくふつうの「いらっしゃいませ」が発せられていた。たとえばビームスやアローズは「いらっしゃいませFEMME」不毛の地である。


こういう感じのお店で徐々に鑑賞するに足る「いらっしゃいませFEMME」が散見されるようになる

しかしこれが「as know as」や「OZOC」「SM2」あたりになるとちらほらと特徴のある「いらっしゃいませFEMME」が聞かれるようになり、「CECIL McBEE」や「Samantha Thavasa」で決定的となる。女性ファッションブランドに疎い方には伝わりにくいと思うが、つまりギャルファッションになればなるほど実に充実した「いらっしゃいませFEMME」を聞くことができるという感じだ。

なので「大きいサイズの婦人服のフロア」とかにもない。

 

■ダウナー系「いらっしゃいませFEMME」

前ページで紹介した「いらっしゃいませFEMME」はライジングタイプであったが、昨今勢力を拡大していると言われているのがこの語尾を下げるタイプの「いらっしゃいませFEMME」である。

 

きいてみる↓
●語尾を伸ばして下がるタイプNo.1●


 

きいてみる↓
●語尾を伸ばして下がるタイプNo.2●

 

きいてみる↓
●語尾を伸ばして下がるタイプNo.3●


語尾の「せ」が最後はのどを鳴らす感じで音程が下がっているのがおわかりだろうか。このタイプには鼻声発声が多く見られるのもポイントである。

この語尾を伸ばして下がるタイプの進化系とも言えるのが以下の「『せ』がいったんかすれて聞こえなくなったあとふたたび「〜え」と最後に復活するタイプ」である。文字にすると「せ〜へ〜え」で「へ」はほとんど聞こえない、といった感じだろうか。

きいてみる↓
●復活タイプNo.1●


 

きいてみる↓
●復活タイプNo.2●


寄せては返す波のような「いらっしゃいませFEMME」。語尾が確実に下がっている点をお聞きのがしなく。現在の「いらっしゃいませFEMME」のトレンドと言えるだろう。


 

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