キー、もてあまし始める
ひととおりのことをやり遂げたら疲れました。喫茶店に入ります。キー持って。
せっかくのでかいキー、もっと十分に活用しなければ。そう思うや、猛然と席を立ち、また街へと出た。キーをぶらぶらさせながら。
どうも、道行く人からは総じて目をそらされるようである。見ないようにしているみたいである。ゴルファー悲しい。いいのだ、私だけが幸せな気分なら。もっといろんなことをしてやる。
見えないギャラリーに向けて精一杯の笑顔で応える。優勝おめでとう私!来年もツアーがんばるぞー!ウォー!
・・・喜びをどう表現していいかわからないまま、やみくもに走り去っていってしまいました。このまま来年へとダッシュ。 来年もゴールのことはあまり考えずに駆け抜けていきますのでよろしくお願い申し上げます。
いつも不思議に思うのだが、何勝もしているゴルファーは、今までに何台も車をもらっているはずである。余った車はどうしているのだろうか。 そして、あの「でかいキー」。それも一緒にもらうんだろうか。それとも楽屋裏で返すんだろうか。
それはさておき、でかいキーを手にしてみたわけだが、だからといって車が付いてくるわけではもちろんないので、今こうして写真を見返してみると、心にぽっかりと鍵穴があいて風が吹き抜けるようである。