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特集


フェティッシュの火曜日
 
オニオオハシの気持ちになってみる

たいへんな新造人間

FRPの配合を少々間違えたおかげで、なかなか乾かず苦労した。冬場で温度管理がうまくいかなかったせいかもしれない。

かすかにベタつくが、最後の工程に入ろう。組み立てて出荷である。


上下のあごに穴を開けて紐を通す。
口を開けたあと元に戻るように、不本意ではあるがバネ(ゴム)を取り付ける。こんな鳥いない。
カパカパ。うん、自動開閉とはいかないが、オートリターン機構(またも適当)は備わった。
マスクのように、ゴムひもを通して・・・

FRPまで塗って本格を目指したのに、最後の仕上げはゴムひもかい。そう言わないでくれたまえ。創意工夫のわずかな跡を見てくれたまえ。

しかし、たとえここでもっと手を入れたとしても、結果的にはあまり変わらなかったものと思われる。なぜなら。

 

鳥よ!

このクチバシのつけ心地を試すため、外に出た。

あいにくこの日は都下の動物園は休館日で、オニオオハシ本人との対面はかなわず。よって代々木公園までやって来た。別に公園にわざわざ来なくてもよかったのだが、他の鳥たちの反応を見たかったのだ。


でかいとしか言いようがない。

なぜ上の写真で、私がかわいく指を一本立てているかというと、その指でクチバシを支えていないとずり落ちるためである。


ほらね。

だらーん。「ゴムひも4点支持法」では、この全長約40cmのクチバシがいかに軽量化しようとも、支えきれないのだった。

次はタイツみたいなものに縫いつけよう、と心に誓った。

ちなみに、オニオオハシ本人のクチバシは中がハニカム構造で中空になっており、そのためかなり軽くできているのだ。彼らがあんなでかいクチバシを持って生まれてきても日々の生活がつらそうに見えないのは、そのせいでもあるのだろう。

あとは「視界」、「操作性」という点と対峙せねばなるまい。


アハハハ。ガーッ。

 

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