「林さんが『カッコイイ』と思うものって何かあります？」
「『キャッツ・アイ』かなー、俺の『カッコイイ』は」。
「ああ、あれ、無駄にレオタード姿で、無駄に長い腰まきをヒラヒラーっとさせてる、美人怪盗三姉妹…」
「あの腰巻、全然いらないですもんね、あれ」
「そういや『キャッツ・アイ』も武器使わないですね」
「んー、あと『スケバン刑事』もいいですね」
「ああ、ヨーヨーとか、玩具を武器にしてるし」
「『キカイダー』もいいですね。登場シーンで、ビルの屋上とかに立ってるんですよ。それでトランペットだかギターだかを持って出てくる」
「武器じゃなくて楽器。それで悪者に勝てるのかな…。
でも武器じゃないものを武器にするって、カッコイイのかもしれませんね」

なにげなく電話中。

銃を持って近寄る敵。

受話器で殴打！

通話、続行。

「しかし、普段持ち歩いてるもので、武器になりそうなものって、ないですねえ。いちばん硬いものって何だろ、携帯かな？　でも小さすぎるよなあ」
「ノートパソコンとかどうでしょう」
「ノートパソコン殺人事件、とか」
「室内だったら、外付けハードディスク殺人事件とか」
「かっこよくはないなあ……」
「要するに武器より素手、ってことですよね。で、闘いつつも、さらにオプションがついてくる」
「闘いながら、子犬拾えばいいんじゃないですか？」
「子犬かー」
「あと、尾行とか、かっこいいですよ。電柱の影でアンパン食って」
「ああ、トレンチコート、タレサン系。ああいうの、男子は好きですよね」
「むかし『Gメン』観てたら、女の人が、すごい派手な格好で尾行してるんですよ。黒くてひらひらした『そんなの目立つよ！』って格好で。あれよかった」
「……林さんは要するに、ひらひらしたものなら何でも『カッコイイ』と思ってるんですね」
『「『生徒諸君』ってマンガで、かっこいいシーンになると、必ず主人公のセーラー服のエリがぶわっとあがるんですよ。あれカッコイイ！」
「やっぱひらひらしてれば何でもいんじゃないですか！」
「じゃあ大塚さんはどうなんですか？」
「うーん、私は男装ってかっこいいと思うんですけど」

私もいちおう学ラン（男装）着てみたんですが、なんかカンフー服みたいになってしまいました…。

「女装はけっこう難しいですけど、男装はいけそうですね」
「あと椎名林檎さんが前にやってた、看護婦の格好で真っ赤なルージュでガラス蹴り割るビデオクリップ。
『女の生まれつきの天職って、女優と看護婦と娼婦だ』なんていいますけど、よく考えたら、林檎さんやってたこと、それをうまいこと組み合わせた、すごい王道なカッコよさだったんですよねー」
「女優と看護婦と娼婦かー。情報誌に必ず載ってる『焼肉、ラブホテル、ラーメン』みたいなもんですかね」
「あー、それも組み立てたら、すごいことになりますかね。焼肉ラーメンをラブホテルで食う、とか」
「そういえば昔、釜飯食べ放題のラブホテルがあったらしいですよ」
「すごいなソレ……でも話がズレてます」