朝食を食べよう! が……。
僕の朝食はいつもトーストとコーヒーだ。コーヒーはいつもコーヒーメーカーで作っている。でも…
電気の使えない状況でどうやってトーストとコーヒーを作るか。考えたあげくトーストはコンロであぶり焼きにすることにした。
絵に描いたようなてんてこまい。
熱い。手が非常に熱くて持っていられない。何かないかとキッチンをがさごそしていたら下の写真のようなものを見つけた。 揚げものの油を落とすための調理器具だが、みためがトースターの中の網みたいだ。これで焼いてみよう。
続いてコーヒー。
パンはこのまま焼いておくことにして次はコーヒーだ。
コーヒー豆はすりこぎとすりばちですりつぶすことにした。寝起きで、出社前に僕はいったい何をやっているんだろう。
コーヒーメーカー、約10秒。人間、約30分
叩いて砕くと豆がつぶれやすいことに気づいた。コツはつかんだのだが、コーヒー豆が粉っぽくなるのにたぶん30分ぐらいかかった。(時計がないので正確な時間が分からない)
コーヒーをすりつぶすのに30分。通勤前の朝の忙しい時間にとってはおそろしいほど痛い時間のロスだ。 この行程をコーヒーメーカーは約10秒で行う。人々がどうして電気を使うのかが見えてきた気がする。いや、本当はとっくに見えてるけど。
そうこうしているうちにあのパンが……
なんだか強烈な嫌悪感をかきたてる臭いが鼻をかすめている。なんだこの臭いは?
……。
気を取り直してパンが焼けたかを見てみることに。これだけの熱が加わったら、パンもこんがり焼けているはずだろう?
微妙。 ほんのり茶色くなっているものの大部分は真っ白なままだ。焼けているとはとうてい言えない。 しかたないか、このまま食べよう。
というわけで朝食が(いちおう)完成。
ちゃぶ台にのせてみると、なんとか朝食らしくなった。トーストはほとんど生であるのに対し、バターもぶよぶよに溶けていて(冷蔵庫の電気も止まっているから)、相乗効果でなんだか青春の味がした(悪い意味で)。
コーヒーは妙に薄い。これはどこかで飲んだことあるな、と思ったら麦茶みたいでした。 コーヒーは薄くすると麦茶みたいな味がする。新発見だ。