「どうでもいいこと」検討会、開催
世界中の誰もが何とも思わない、聞くと ぽかん としてしまうこと。一体なんだろう。
芸人のだいたひかるさんのネタで、世の中の「どうでもいいこと」を面白く斬る、というのがある。そこで言われているどうでもいいことは、個人的で本当にどうでもいいことばかりだ。
例えば、「私って、O型だからおおらかなんだー」のような。ためしに、プラカード画像を加工して文字をはめこんでみよう。
こんなことプラカードに書かれたら、何言ってんだ、そんなどうでもいいこと、と思う。確かに非常にどうでもいい。
事前に友人知人にリサーチした「どうでもいいこと」の内容も、圧倒的に誰かの個人的な情報であった。例えば、
誰しも、私んちの夕飯のメニューなんてどうでもいいだろう。
が、だ。人にとってはどうでもいいけれど、言っている私にはどうでもよくないのだ。今晩のメニューは。
今回は、360度、全方向で世界中の誰もが「どうでもいい」と思うことを突き止めたい。
全人類がどうでもいいと思うこととは
それでは、私に関する情報ではなく、有名人のことだったらどうだろう。
おお! これはどうでもいいぞ! あ、でもこの情報は大和田さんのファンの方にとっては一大事だ。大和田さん自身もきっと、実家が本屋であることについて、何らかの思いはお持ちだと思う。
やはり一旦、個人の情報からは離れたほうがよさそうだ。
雑学っぽいことはどうだろう
さて、そうするとなると、何だろう。「トリビアの泉」など、雑学は基本的に実際生きていてあまり有用でない情報が満載だ。
うん、どうでもいい。でも、なんだかちょっと「へえ、そうなんだー」「つうか、漁業法記念日って何?」などと感心してしまう。面白がってしまっては、結局はどうでもよくなってないと、当検討会は思うのである。
では、面白くもない細かい事実、というのはどうか。
穏やかにどうでもいい感がおそってくる。
だがこれも新聞関係者にとってはどうでもよくないことだろう。パス。
当たり前のことはどうさ
では、どう考えても自明、当たり前のことはどうだろう。
これは……。確かにどうでもいいが、大きく書くとなんだか何かのキャッチコピーみたいだ。空の青さが、みょうにしんみり胸に響いてしまうじゃないか。
途中に句読点なんか入れてみたら、余計妙な雰囲気がかもし出でしまっている。分かりきったことも、大げさにすることでそれっぽくなってしまうことって結構多い。パスである。
ああ、誰にとっても、大々的に宣伝しても、どう考えてもどうでもいいことって何なんだ!
「どうでもいいこと」検討会仕切り直し
原点にもどろう。先ほど検証の通り、個人的な情報はパス、とした。少なくとも発言者にとっては、それはどうでもよくないことだからだ。
だが、やはり、あらためて眺めるとこの手の情報は本人以外のかなりの人にとってどうでもいい情報である。
ここにヒントがあるんじゃないか。
私自身すらどうでもいいと思う、私のこと、それを探せばいいわけだ。さて。
うん、かなりどうでもいい。けれど、どこか「へえ」と思う感は否めない。“冷蔵庫”というのが微妙にやキャッチーなのかもしれない。
もっと興味のないほうへ! 家電でもない、普通の持ち物でもだめだ、とすると何だ?
おお、どうでもいいぞ! でもその門の閉まり具合が悪くなったりしたとき、きっと、どうでもなくなるよね? もうひとひねりだ。
……ど、どうだろう。これ、かなりどうでもいいんじゃないか?! 対象を自から、お隣に押し付けてみた。
実はうちの隣の家は空き家なのだ。勢い、雨戸が茶色であることを気にする居住者もいないわけである。
私自身も、これまで「ああ、隣んち、雨戸茶色いなあ」と思ったことは一度もない。どうでもよすぎて、本当に茶色だったかやや不安すらよぎる。
見つけた! 見つけたよ! 今、私と世界にとって最もどうでもいいことを!
宣伝すべき「どうでもいいこと」はこうして決定した。決定したら、早速宣伝グッズを用意していこう。ブオー! 帆を上げろー! 船をだせー! |