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特集


フェティッシュの火曜日
 
何を見ても泣ける

桜のつぼみに泣けるか

そういえば最近こんなこともあった。停車した電車の窓から桜の木が見えて、枝という枝のつぼみが膨らんでいた。冬の間はどこからみても枯れ木だったお前、それが今年も忘れずに花を咲かす準備をしている・・・そう思ったら、不覚にも車内で涙ぐんでしまい、たくさんまばたきをした。年をとったものだと思った。

よって、ふたたび桜のつぼみを眺めて、泣けるかどうか試してみたいと思う。


泣きの用意は万全。木綿の?ハンカチーフだ。

代々木公園までやってきた。ここまでくれば、けなげに開花を待つつぼみがたくさんあるに違いない。


つぼみだらけ。泣きのツボだらけ。
がんばって泣いてみたいと思います。

ガッツポーズなどとってしまったが、一転、しんみりと桜を眺め始める。


(心の声 「冬の間はどこからみても枯れ木だったお前、それが今年も忘れずに・・・」「冬の間はどこからみても・・・」 )

(まだ心の声 「・・・今年も忘れずに花を咲かす準備を・・・」 )というか、寒い。

なぜだ。あのとき同じ花を見て感極まった自分の心、あの純粋な気持ちはどこにいったのだ。

「歌伝説 ちあきなおみ」のことなども思い出してはみたものの、涙、一向に出ず。同行の月曜ライター、古賀さんがそのとき言った。

「私のほうが涙出てきてしまいました!」

年をとると涙もろくなるものですな。


私。眼球乾きっぱなし。
古賀さんの目に涙。

よくよく聞けば、彼女は今年から花粉症になってしまったかもしれない、ということだった。そういう種類の涙だったらしい。古賀さん。焦らせないで欲しい。

ちなみに自分は幸い、まだ花粉症は発症していない。私の人生で今のうちにやっておきたいこの企画、であるわけだ。


 

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