そして焼きあがったら、包丁を使わず手でちぎって、集まった人たちに配るのだ。このお祭を神社に奉納、ということになる。りっぱな神事だ。
と思ったら、このお祭、第1回目は平成15年にやったばかり。なんだろう、この、いかにも江戸時代あたりから続いてそうな雰囲気。そこをお尋ねすると、
「まあ、回数はもう関係ないわけですよ。でーっかいまんじゅう作っちゃって、みんなでまじめに神事としてやっちゃって、楽しむ。みんなでそうやって遊んで楽しいこと増やせばね、町を好きになる人も増えるんじゃないかな、って、いろいろやってるんですよ」
うん、わかる気がする。例えば自治体の主導で、とか、イベントプランナーに頼んで、というやり方もそりゃあるんだけど、肝心の本人たち、土地の人たち自身が楽しまないと、そのときは良くても、その後続いていかない気がする。
実際、上記の神事のときも、お堂の中でのお祓い中は外で待ってるお客さんに内容がわからないのでは、ということで、拡声器で実況しようか、という意見が出たが、櫻場さんはそれを制したそうだ。「見えなくたっていいじゃないか。神事なんだし、待ってればいいじゃない」
なかなか言えることじゃないと思う。 |