渡り廊下銀座、渋谷

なんとシブヤ西武には、全部で4本もの渡り廊下がある。
うれしい。
これはまさに渡り廊下銀座だ。
じゃあ銀座のデパートの渡り廊下は何なんだという話しになってしまうが、そんなことはどうでもよい。とにかくすごいのだ。

まず、A館とB館をつなぐ渡り廊下が 3階と5階、そして屋上の3本。さらにB館とLoft館をつなぐ渡り廊下1本の、計4本である。

地味ながらも光る渡り廊下

まずはシブヤ西武でも最も地味な渡り廊下ともいえる、B館とLoft館のあいだにある渡り廊下を渡ってみよう。

中央部分に少しだけ窓はあるものの、渡った印象としては薄暗い、閉所感のある渡り廊下だ。
しかも、やや勾配がついている。
普段の買い物の際には、できるだけ早く通り過ぎてしまいたいと思わせるに違いないこの渡り廊下だが、この閉所感こそが渡り廊下の醍醐味だともいえるだろう。

ボクが幼少の頃、両親に連れられていったデパートで味わった渡り廊下の魅力、 にぎやかな売り場と、そこからほんのわずかだけしか離れていないところにある、渡り廊下の静寂。
そして、ここは入っちゃいけない場所なんじゃないかと不安にさせる薄暗さ。

ノスタルジックな記憶がよみがえるような、そんな渡り廊下がここなのだ。

屋上と渡り廊下

デパートでは比較的一般的な屋上同士をつなぐ渡り廊下。ここシブヤ西武にもそれがある。
それだけでウキウキ感満点のデパオク（デパートの屋上）と、さらにデパワタ（デパートの渡り廊下）のコラボレーション。
もう盆と正月が一緒に来たみたいである。

はやる気持ちを抑えつつ、喜び勇んで屋上に飛び出したものの、そこには人っ子一人いない。

誰もいない屋上というのは、かなり寂しいものである。
桃源郷にただひとり、すべてを独占しているはずなのにむなしい。

渡り廊下は、ただそこにあるだけでは意味を持たない。
やはり渡り廊下はみんなで楽しむべきものなのだ。
人が渡ってこその渡り廊下なのだから。