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ちしきの金曜日
 
ダンメンを鑑賞する

■ダンメンの個性


ダンメンを祝福するかごとき赤


「ダンメンはすごく個性豊かなんです。一見同じ条件の町屋の街並みでもいざ取り壊されてみると、そのダンメンは増築の具合やタイミング、建物の持ち主のスタンスや懐具合なんかでぜんぜん違ってくる」

吉永さんはサイトでそのバリエーションを「キリクチ」「テンシャ」「チソウ」「ポツン」などといった分類でまとめている。

上は切妻の町屋が取り壊された跡が両側のビルに残っているダンメン物件。ポイントはその跡のリカバーに対する両ビルオーナーのスタンスの違いだ。

 

■このダンメンができるまで(推定)


このダンメンが生成されるまでのプロセスが上だ(推定)。この「塗り残し」を塗り直すそのやりかたに個性が表れ、結果として豊かなダンメン作品世界が生まれている。

左側は物理的な町屋の跡は残っているものの、2階と3階の境目で塗り直すことによって違和感なく仕上げている。
いっぽう右側は塗り残し部分のみ塗り直し。結果として切妻の形が表情豊かに残された。ナイス。

このように、一口にダンメンと言っても十人十色の個性なのだ。

 

■ダンメンいろいろ

そんな個性豊かなダンメン作品を以下に列挙していこう。


派手な看板に目がいってしまうが、見るべきはダンメン。配線が切妻の形に残っている。
質素なテクスチャの中に確かな個性。うっすらと切妻の形が残っている。かつては隠れていた無造作な配線も白日の下に。
道路からセットバックしてガレージを作った元町屋。となりの建物にダンメンが。見とれて車庫入れに失敗しないよう注意が必要だ
手前だけ見ていると一見なんてことない外壁だが、奥にしっかりと町屋の形が残されている。
どこにでもありそうな商店にもその横顔には別の表情が。平凡な日常に潜むすてきなダンメンの罠。
すすけた外壁に確かな京の風情。いかにも町屋らしいロングな切妻フォルムが京ならではのわびさびを演出。
もみ消し失敗、といった感じのダンメン作品。期せずしてガラス張りのダンメンだ。軒先の細かなディテールまで楽しめる好作。
「この面積を求めよ」みたいな図形にぐっとくるダンメン作品。理科離れ日本の救世主となるか。
幽霊のように残された跡。ダンメン鑑賞法を身につけていなければその存在にさえ気がつかないかもしれない。あぶないあぶない。

 

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