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ロマンの木曜日
 
お盆の渋滞に巻きこまれたい

滞ってるぜ!

高速道路本線に戻ると、そこは渋滞していた。
待ちに待ったお盆の大渋滞が、いま目の前で繰り広げられているのだ。
これは興奮せずにはいられない。

灯りっぱなしのブレーキランプ。
ゆっくりと転がる、タイアのトレッドパターン。
いつまでたっても変わらない景色。
どれもこれも素敵だ。
いつまでもこうしていたいが、渋滞は残り20kmを切っている。
美しい時間、それは長く続かない。


動いては止まり、

止まっては動く

 

渋滞の醍醐味

渋滞の楽しみ方として、欠かすことができないのが車内での暇つぶしだ。
暇つぶしをするために渋滞に巻きこまれるといっても過言ではないだろう。

しかし、これまで渋滞の暇つぶしとして一般的に知られている、しりとりやなぞなぞなどには限界を感じなくもない。
そこで、新しい渋滞の暇つぶしをいくつか提案してみよう。

 

レッツ!ビンゴ

ビンゴはどうだろう

車内でビンゴ大会をするのはいかがだろうか。
これは大いに盛り上がるに違いない。

しかし、言い忘れていたが、車内にはボク一人しかいない。
今日はひとり旅だったのだ。

一人っきりでビンゴをしても楽しめるかどうか不安だし、そもそも運転しながらのビンゴ大会は、いくら渋滞中とはいえ、危険である。

 

まちがい探しはどうだろう

最近ブームの兆しが見えるまちがい探しはいかがだろうか。
「運転席から見える景色に、1ヶ所だけまちがいがあります。それはどこでしょう。」

正しい景色
間違った景色

これは楽しいのではないだろうか。
運転席から見える景色にひとつだけまちがいがあれば、それは運転に集中しながら見つけることができるし、充分退屈しのぎになる。

けれども、現在の科学技術では、実際に目にしている景色でまちがい探しをリアルタイムで作ることは不可能だ。
たとえどんなにJavaやFlashを駆使しても、である。


ファミリーにぴったしだニャーと書いてある

花火はどうだろう

夏の夜といえば花火だ。
渋滞の暇つぶしに車内で花火はいかがだろうか。

車内火災のリスクにさえ目をつぶれば、こんなに風流な退屈しのぎはないだろう。
ただ、運転中の花火が道路交通法に違反するかどうかは定かではないので、実際に花火をする前に、法律の専門家に問い合わせて頂きたい。
もちろん、窓から車外に向けて花火なんかしちゃ絶対にいけない。

 

ニセブルースハープ
クルマが長い列なのは 大雪が降ったせいじゃなくて お盆だからー プファー プフォー

ハモニカはどうだろう

正直、あまり現実的ではない暇つぶしを挙げてしまったので、まともそうなのを。
フォークシンガーの人のように、両手が自由になるホルダーを使って、ハモニカを演奏するのはどうだろうか。

これは実際にやっている人を見かけたことがあるのだが、その人はとても楽しそうだった。

ボクはハモニカが演奏できないため、運転に集中できなくなる可能性があるので、SAで停車中に試してみたが、なかなか楽しい。
息を吸って吐いてと繰り返すので、渋滞の大敵である眠気も解消することができる。

運転の妨げにならずに退屈しのぎをすることができる、かなり優秀なアイテムだ。

ただ、わざわざハモニカなんかを使わなくても、歌を歌えば充分楽しいという気もしないでもない。

 

渋滞も半ばを過ぎて

というように、渋滞の退屈しのぎには何がいいかを考えていると、退屈しのぎになるという結論が出たが、そうこうしているうちに渋滞も残り半分近くに。


「ここから渋滞」という表示は「ここからの渋滞」が正しいといつも思う

渋滞の楽しさも山場を迎えようとしている。
そんな渋滞の模様を、この夏仕事に追われて体験することができないという気の毒な方のために、動画で撮影してきてさしあげた。


およそ1分間の映像だが、この日の渋滞は80分だったので、80回くらい再生すれば実際の渋滞気分を味わっていただくことができると思う。
Web2.0の技術だ。

 

 

小仏トンネルに到着

動画を80回見てくれただろうか。
1回すら最後まで再生してもらえなかったのではないかと心配だが、その間に車はとうとう渋滞の先頭である小仏トンネルへと近づいた。
トンネルに近づくに従い、車の流れも少しずつよくなってきて、完全に停車してしまうことは無くなった。

これが小仏トンネルだ

 

楽しかった渋滞も解消

渋滞情報の通り、トンネルの中ほどから車の流れるスピードが上がり、通常の空いている高速道路と同じ状態になった。
いつの間にか渋滞がなくなったという感じである。
もっと劇的な渋滞解消の瞬間を期待していただけに、ややあっけなくて肩透かしだが、これが現実だ。

すいすい走れます

 

小仏トンネル渋滞の理由

  • 小仏トンネルがいつも渋滞する理由として、
    トンネルに入る際に、圧迫感から心理的にスピードを落としてしまう。
  • 上り坂の途中にトンネルがあるため、スピードが低下する。
  • 坂の手前で走行車線が3車線から2車線に減少する。
などが挙げられている。

現在、小仏トンネル手前で、車線拡幅の工事が行なわれており、それが完成すると渋滞の軽減が期待されているが、一部の渋滞マニアから渋滞の楽しみを奪う工事だとして反対の声は…、あがっていない。

気の持ちようではどうにもならないこともある

結局この日の渋滞は、小仏トンネルを先頭に22kmだったようで、実際に一宮御坂ICから調布ICまで費やした時間は、SA/PAでの休憩をのぞきおよそ2時間15分で、通常時より70分ほど多くかかったことになる。
今回はわざわざ渋滞に巻きこまれるためだけに、渋滞に巻きこまれたのでそれほど大変な思いはしなかったが、周囲の家族連れの車内を見ると、世の中のお父さんお母さんたちは大変だなあと改めて思った次第だ。

なので、あやまる。

夏休みのパパ・ママたち、渋滞が楽しいなんてうそぶいたりして、ごめんなさい。


 

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