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ちしきの金曜日
 
穴に塩を入れてマテ貝を捕まえる

潮干狩りの人を発見した

アナジャコのポイントからしばらく歩いていくと、熊手を持った潮干狩りの人達が数名いた。どうやらここのポイントはアサリが捕れるようだ。
※干潟はポイントによって捕れる生き物がかなり違う。

私もせっかく干潟まで来たのだから、夕餉のオカズくらいは確保しようとアサリを掘ってみた。しかし、もう潮が満ち始めてきているため、沖のポイントを攻められず、小粒のアサリとかシオフキしか見つからない。


ここのポイントは潮干狩りゾーンらしい。 ちょっと小さいアサリ。手がでかい訳でない。

 

マテ貝捕りの人を発見した

アサリも駄目かとうなだれた目線の先に、熊手ではなくペットボトルを持った不思議な人を発見。干潟なのに衣服がまったく汚れていないのも気になるといえば気になる。どことなくエレガントだ。


干潟では驚異的ともいえる服の汚れていなさ。

基本的に干潟で出会う人々はいい人だと信じているので、精一杯の勇気を出して、なにをしているのか聞いてみたら、「マテ貝。塩で。」という、焼き肉屋で牛タン注文している常連さんみたいな通好みの返事が返ってきた。
※マテ貝:マテガイ科の二枚貝。内湾の干潟に多く、砂泥に垂直に穴を掘ってすむ。貝殻は細長い円筒状となり、殻長12センチくらい。前端から足、後端から出入水管が出る。食用。[大辞泉より]


ガーン。衝撃の事実だ。

マテ貝が塩で捕れるというのはだいぶ前から知っていて、いつか捕まえてやろうと企んではいたのだが、マテ貝がどこで捕れるのかが皆目わからず、悶々とした生活を送っていたのだ。なんだこの干潟で捕れるのか。

幸せの青い鳥は自分のすぐ近くにいたんだね。

 

でも塩がない

いや、そんな優しい気分に浸っている場合じゃない。塩だ、塩。マテ貝捕るには塩がいるのだ。

塩が欲しい。一握の塩。さすがに初対面の人に塩をもらうのは気が引ける。話しかけるだけでいっぱいいっぱいなのに。社交性か塩、どっちでもいいから今すぐ欲しい。

しかし、幸いにも目の前には海が広がっている。社交性はともかく、大鍋を用意して大量の海水を煮詰めれば、数時間後には塩を得ることが出来るはずだ。そういう記事を見た覚えもある。

一瞬、本当に本気でそんなことを考えたのだが、もちろんそんなことをしている時間はない。マテ貝、待てない。目の前の海、全然幸いじゃない。

海の塩辛さが虚しい。すでに干潮から一時間以上が過ぎており、干潟がだんだん狭くなってきている。困った。


 

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