家族総出でいろいろ試してもうまく行かず、そちら方面のプロフェッショナルを呼ぶに至ったあの日。驚きの請求額。
家族会議の結果、翌年のお年玉がなしになった。子供と言っても中学生の頃だったはずだ。……そうだ、あの頃の自分、テレビゲームに夢中だった覚えがある。
中でも一時熱中していたのが、『魔界村』というゲーム。さらわれた姫を助けるため、ゾンビをやっつけながら冒険するという内容のものだ。
そんなことばかり考えていた私は、登校時に使っていた白い布カバンの帯のところに、でっかく「魔界村」と書いた。
ばかげてる。思い出は決して美しいものばかりではない。
それから、うちではシメジが食卓にあがると、必ず「香りマツタケ、味シメジ」という言葉を母から聞かされた。高級なマツタケは確かに香りはいいが、味で言えばシメジが最高だという警句だと思う。 |