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ちしきの金曜日
 
ハート柄のかわいさとせめぎ合う

●ハートマーク VS 俺

  これまでいろいろな手段でハートのかわいさを打ち消してみたが、今ひとつ決定打に欠ける感じは否めない。手を尽くしたところで、そこに怨念の根源がないからだ。

 ならば根源そのものが直接ぶつかっていくしかない。私自身のことだ。


かわいいハートのクッションも
不審者感で台無しに

 ハートのクッションを持ってみた私。かなりコントラストの高いショットになったと思う。

 正のエネルギーと負のエネルギーがぶつかり合うところに何かが生まれる。それは、寒流と暖流の潮目がよい漁場であることとも似ている。

 旗色は悪くない。ここはアグレッシブに攻めたい。


もう逃げたりしない

 大きな赤い厚紙をハート型に切り抜いて、上の写真のようなものを作ってみた。使うのは切り抜いた枠の方だ。プリクラのフレームでこういうのを見たことがある。

 これを使うと、こういうことになる。


均衡する力と力

 特に表情を作ったつもりはない。内なる声に素直に従ったまでだ。ハート型に囲まれつつも、決して負けていない自分の姿がそこにある。

 もう少し引くと、こうだ。


何か?
言いたいことがあるならはっきり言えばいいだろう

 この写真を見てかわいいとか思う人はいないと思う。もちろん特殊な感受性の人がいることもあり得るが、ここで考えたいのはあくまで一般論。明らかに私の方が攻め勝っている。

 ただ、このショットはハートとの対決に緊張していたのだとも思う。写真は別のふとした一瞬も逃さない。


垣間見える疲れ

 何枚も撮影した中には、つい心の隙を突かれた写真もあった。もちろんこの写真でもハートのかわいさに負けているつもりはないが、先の写真とはまた別の味わいになったとは思う。

 

 さあ、流れは明らかにこちらに傾いた。勝利を万全にするためにも、ダメを押しておきたい。ホームセンターの布売り場で、こんな柄の布地を見つけたのだ。


軽い悪夢か

 自分には全く縁のない柄。キュートでラブリーとしか言いようがない。かなりの強敵。

 そしてこれが布地であるということは、これを使って何かを作れということだろう。可能性は無限大なのだ。持て余しがちな無限大だが、ここで勝負から逃げたくない。

 そういうわけで、以前洋裁を習っていた妻に制作を発注しておいた。


いつもごめんな
すごいのができてた

 仕事から帰宅すると、クローゼットにかかっていたのはあの柄のシャツ。単なる布地であったときよりもオーラが増している。カメラのホワイトバランスも狂っている。

 ピエロの衣装のようでもある。そう、もしかしたら僕はピエロなのかもしれない。


自分の全てを賭けろ

 完全に私の勝ちだ。ハートのかわいさやピエロのかなしみを超えたところまで突き抜けた何かがあると思う。

 虎穴に入らずんば虎子を得ず。なにくそと思うことで人は変われる。避けたいことから目を背けてばかりでは、何も変わらないのだ。


襟元を開けてワイルドに
ハートフレームとの合わせ技も

 せめぎ合いを超えて、見えてくるのは闇の彼方に落ちていくハートマーク。もう大丈夫、これから先、ハート柄を見かけることがあっても卑屈な気持ちにならないでいられる。

 湧いてきたのはそんな自信。ハート柄に舌打ちしていただけの私とは違う自分がここにいる。

ファービーと一緒の一枚

●素顔のままで向き合いたい

  今回の企画を通してひと皮むけた自分。別にむけなくてもいい皮だったかもしれないが、とにかく皮はむけたのだ。

 上の写真、デュアルハートにファービーも一緒になって撮った一枚。ファービーとふれあって気が緩んだのか、先ほどまでのものとは違う自分の表情に驚いた。

 こういうのもいいと思う。人間、素直が一番だ。

 ハート柄と徹底的に向き合ったことで、それを克服した今回の企画。しかしもう、戦いは終わったのだ。これからは穏やかな笑みをもってハート柄と接していきたいと思う。


 
 
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