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ロマンの木曜日
 
宝塚風メイクを習う
宝塚風メイクに挑戦します


以前、ホステスメイク入門という記事を書いたが、実はその他にもう一つどうしても気になって仕方がないメイク法がある。

それはズバリ宝塚メイク。素人から見るとかなり濃く思える宝塚メイクだが、実はあれくらいはっきり書かないと、舞台に立った時、照明で飛んで顔がのっぺりとなってしまうらしい。

ところであの独特のメイクは一体どのようにして出来ているのか?今回、宝塚風の舞台をやっている友達に、そのやりかたを訊いてみた。

(text by 岸川 祥子



舞台に立つと意外にナチュラルメイク

今回の先生

今回メイクを教えてくれるのは大学時代の友人・ゆりちゃん。

ゆりちゃんは出版社で働く傍ら、劇団に所属し、ミュージカルとレビューで構成される宝塚風の舞台に出演する舞台人。

以前、劇団の舞台を見に行かせてもらったことがあるんですが、衣装も歌も踊りも本格的で、非常に面白かったです。

そんな中、特に興味を惹かれたのが舞台メイク。

舞台以外のところで見るととんでもなく濃いのに、いざ衣装を着て、照明を浴びるとびっくりするくらい自然な仕上がり。

一体どんな手順でメイクするとそんな不思議なメイクができあがるのか?

そこで今回ゆりちゃんにお願いし、宝塚風の舞台映えするメイク術を特別に教えてもらうことにしました。

 


宝塚風メイク〜ベースメイク編


今回は娘役に挑戦

というわけで早速メイク開始。ゆりちゃんが娘役(=女役)の役者さんということで、今回は男役ではなく、娘役のメイクを習うことにしました。

なお、どれくらい大変なものかを体験するため、今回、私も隣でチャレンジしてます。すみません。


それではメイクを始めます(左がゆりちゃん)

まずはベースメイクから。ゆりちゃんが最初に取り出したのはなんとピンクのドーラン

ちなみにドーランとは舞台メイクに使う油性のファンデーションのこと。普通のファンデーションよりカバー力が強く、落ちにくいのが特徴です。

テレビでもタレントさんが地肌に近い色のドーランを塗ってたりしますが、こんな色のは初めて見ました。興味津々。


ピンクのドーランをたっぷりと手に取ります
そして思い切りよく顔全体に塗っていきます

まず、このピンクのドーランを顔全体に塗りこんでいきます。毛穴を埋めるように、しっかりとムラなく。

なお、色の度合いは人それぞれだそうですが、基本的に娘役はピンク、男役は茶色のドーランを使うそう。

ドーランを塗りおえたら、今度は堅めのスポンジを使って余分な油を取り除きます。


まんべんなく顔全体に伸ばしたら・・・
スポンジで余分な油を除去

この時、メイクが崩れないよう、こすらず、トントンと叩くようにするのがポイント。この辺りは通常のメイクと一緒です。

…と、安心したのもつかの間、またもやすごいものが登場しました。


真っ赤なシャドウ!

顔に陰影をつけるためのシャドウがなんと真っ赤!これを眉毛の下と鼻筋、額の生え際、頬などに塗っていきます。

赤をちょんちょんと顔に置き…
自然な感じに伸ばしていきます

シャドウを十分に伸ばしたら、今度は鼻や眉の上など、高く見せたい場所にハイライトを塗ります。好みで目の下に入れてもOKだそう。

赤の次は白!
Tゾーンの部分に白のハイライトを入れます

確かに鼻筋が通って目がくぼんで見えますが、私に関して言えばどこからどう見ても京劇の猿…。

しかしとりあえずハイライトも入れたし、メイク崩れ防止のお粉もはたいたし、これでベースは完成!

…かと思いきや、さらにとんでもない工程が!


フェイスケーキを砕いて粉にし
ふたにとって水を加え
ハケで伸ばしたら…

突然現われたフェイスケーキと呼ばれるピンクの塊。なんとこれを水で溶いてハケでいきなり顔にオン!

作り込んだメイクを上から全部塗りつぶします

ああ〜!せっかく苦労して塗ったシャドウやハイライトが一瞬にして塗りつぶされていく〜!

シャドウを入れながら「こんなに濃くて大丈夫?」と繰り返す私に、ゆりちゃんが「後で全部消えるから大丈夫」と言い聞かせていた意味がようやくわかりました。

どうやらハイライトまでがすべて「下地」で、ここからがようやく本番の「ファンデーション」だったよう。(水化粧と言うそうです)

「下地→ファンデーション→シャドウ・ハイライト」の手順で進む通常メイクとはかなり勝手が違います。不思議。


水化粧を乾かした後、お粉をはたきます

さて、水化粧が乾いたら、お粉をはたいて、ここでようやくベースメイクが完成。ちなみにこんな感じ↓です。

ここまででようやくベースメイクが完成!

首を塗っていない上、服も普段着なため違和感アリアリですが、確かに宝塚メイク風の肌の色に!

さて、この後は宝塚風メイク・最大の難関とも言えるつけまつげが登場。果たしてうまく出来るんでしょうか?


 

 
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