さあ、ふるえましょう
さあ、ここからがこの企画のキモです。これが言いたかったのです。
まずは下の写真をご覧ください。阪急電車の中津駅だそうである(写真提供・デイリーポータルZライター・よしざきさん)。
いえ、ベンチです。
「長居は想定されていない設計。ってか、ホームが狭いので恐い」とよしざきさんもおっしゃるとおり。この手のベンチ、「長居はしてほしくない、が休むところは提供します」という二律背反のたまものでしょうか。ビジネスショウなどの見本市のセミナー会場でもよく見かける。
このアンビバレンツさが、ぐっとくるのだ。椅子なのか?椅子でないのか? 正しくはきっと、「ベンチ」ではないのかもしれない。その業界では「もたれ棒」というものかもしれない。でもこの際どっちでもいい。こういうあいまいなものがホームにたたずんでいる、その事実を共有したい。
中津駅・座りにくさ評価(★で5段階+イメージ)
東京にも見つけた。またも都営大江戸線だ。大門駅にてこんな遊具を発見。
ハイブリッドタイプというのか。ベンチたる部分と「もたれ棒」部分の合わさったものだ。
金属部にウレタンが巻いてあって、体のアタリに多少優しい構造になってはいるが、本気で体を預けようとするとそれほどやわらかくないのでなかなか無理がある、気がする。落ち着かない。
この黒い部分、スポーツジムの用具っぽい。
大門駅・座りにくさ評価(★で5段階+イメージ)
今回、これはと思いついた物件を回ってみたが、「椅子(ベンチ)」における形状の可能性は無限大だ。
こと交通機関のベンチにいたっては、その存在理由からくる奇妙な形状が、興味深い様相を呈しているのだ。
と、またもっともらしいことを並べようと思ったけど、要は「イスは見た目じゃないっす」ってことっす。