間もなく電車がやってきた。ワンマンカーの路面電車だった。お金は乗車時に払うことになっていたのだ。
電車の中には子供が書いたポスターが展示されている。最近の子の絵のうまさに感心してしまった。いや、うまい子のが集められているんだから当然か。

電車は駅を出ると普通の車道と合流し、住宅地の中を走っていく。東京にもあったローカル線。

揺られること１０分ほど。ほどなくして荒川遊園地前駅に着いた。またもバス停感覚の駅名だが、電車を降りるとすぐに遊園地。ほんとに「前」だ。

ついていきなり夢破れる

駅前のゲートの中は公園で、本物のゲートまで少し歩いた。
なんだか手書きっぽいイラストが素朴な、どこか懐かしい感じのゲートだ。小学生の宮城さんも、ここでわくわくしながらお父さんに入場券を買ってもらったのだろうか。そんなことを考えながら、２７歳の僕は自分で２００円払って入場券を買った。

入場のついでに、係員のおばちゃんに目的のぱっくんシャークスライダーの場所を聞いてみることにした。

「ぱっくんシャークスライダーってどこにありますか？」
「ぱっくん…なに？」

不穏な空気。もしかしてもうなくなったとか…。

「ぱっくんシャークスライダーなんですけど」
「ああ、シャークね。」

わかってくれました。ほっと一息。
ところが次の瞬間、衝撃の一言。

「ごめんね、シャーク土日しかやってないのよ。」

ゴワーーーン。頭の中で鐘が鳴った。１時間以上かけてきたのに…。

ヘナヘナと売店に入り、ソフトクリームを買ってしまった。ぽっかり空いてしまった心の穴を甘いもので埋めろ。

園内を散策

甘いものを食べたら少し元気が出てきた。悩んでいても仕方がない。少し遊園地内を歩いてみよう。

遊園地を出て、シャークスライダーが（土日なら）あると言われた場所に行ってみた。いかんせん現物がないのでよくわからないのだが、おばちゃんがプールと言っていたのでたぶんこのあたりだろう。

宮城さん、ぱっくんシャークスライダーを見てきましたよ！