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ひらめきの月曜日
 
ジャガイモ6種類を食べ比べ

ちょっと寄り道、いももち編

さっそく煮物へ!…の前に、さっきのふかし芋の残りをなんとかしたい。

そこで、いももちを作ってみることにした。


イモを潰して片栗粉と混ぜ、
それぞれを平らに伸ばします。

本来、いももちはイモが熱いうちに潰して粘りが出るまで混ぜるものなので、今回は「なんちゃって」いももちだ。


バターでじっくり焼いたら出来上がり。
…この色の変化はどうしたことだろう

さっきと並びはまったく一緒なのに、もう上下で色分けが出来なくなってしまった。なんだなんだ。油で焼くことで何か変化が起きるのか。

そして一番の驚きは、男爵イモがすごくおいしかったことだ(失礼)。


とにかく、もっちりしてるんですよ。

実はもう、男爵のことは諦めていた。新しい品種に比べたら、味が濃いわけでも煮崩れしにくいわけでもない。なんの特徴もない時代遅れなジャガイモ、とまで思いつめていた。

なのに、このモッチリしっとり感はどうだ。いやすごい。他の追随を許さない粘り気、そして焼いたことで強く感じられる味。

なんだか妙に安心しました。やれば出来る子なんだね、男爵。人には向き不向きがあるからね。さっきは許しておくれよ。

ちなみに、他のジャガイモもおいしかったです。これは男爵以外、どのイモでも大差ないと思います。

 

煮物編

では、いよいよジャガイモを煮ていこう。


公正を期すために、それぞれ同じ大きさにカット

ずっと存在感が薄かったメークイーンとシンシアだが、どちらも「煮物に向いている」と言われる品種だ。とにかく「煮崩れしにくい」のが特徴であり、もともと水分が多いせいか皮も剥きやすい。

味は、ふかし芋の時でだいたい分かった。だが男爵の時のように化ける可能性もある。果たしてどういう結果を迎えるのだろうか。


鍋の中をホイルで6つに仕切り、
なんとかそれぞれの陣地を守らせることに成功。

今回は、15分経ったら同時に鍋から引き上げるという戦法を取った。すべて同じ条件で、どこまで柔らかくなっているかが審査の重要ポイントなのだ。

というわけで、結果はこちらです。


見事なまでに違います。レッドムーンの崩壊っぷりが見事。

味は、和風ダシにごくごく薄めの醤油のみと、いたってシンプル。ふかし芋の時と同様に味の違いはあるが、今回は煮汁を思うさま吸っているので、どれも平等においしい。

ましてこれがカレーやシチューであったなら、なおさら差異は目立たなくなるだろう。

よって、やはりここでは容姿を問う審査となった。


玉砕したレッドムーン。いや、私は好きですけどね。煮崩れたジャガイモって。
黄じゃが芋のホクホクっぷりは健在。

ふかし芋で早く火の通ったものが、やはりぐずぐずになった。表面の角が取れまくり、かなり煮汁に流出。

かたや、煮物に強いと言われるメークイーンとシンシアの姿たるや、堂々としたものだ。あっぱれとしか言いようがない。


メークイーンは、箸で触った部分が崩れたのみ。
シンシア。このシャープさ。そしてエッジの立ちっぷり。煮られた自覚はあるんだろうか。

さすがである。特にシンシア。こいつはスゴイ。予想をはるかに上回る頑丈さを見せた。いや、頑丈という言葉がふさわしくないことは承知しているが、そう言いたくもなる見てくれなんですよ。なんというか、外国人枠なんですよ。

いやぁ皆さん、見事な戦いっぷりでした。

ためになりました

今回は、誰よりも私自身が「やって良かった!」と思える企画であった。味の違い、柔らかさ、煮崩れ具合などなど、こういう機会じゃないとなかなか一度に試す気にはなれなかっただろう。

今までは「シチューだからメークイーン」「ポテトサラダだから男爵イモ」くらいの使い分けしか出来ていなかったが、これからはもう大丈夫だ。

中が黄色いのは味が濃くて調理が早く終わり、中が白いのはその逆、と考えて間違いない。

珍しい品種だからといって、すごく値段の張る物でもないのがまた嬉しいじゃないか。これからは新しい品種をどんどん買って、いろんな料理に使っていこうと思う。

残った全種類を鶏と煮たところ、グズグズとしっかりが混じった面白い煮物になりました。

 
 
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