そもそもなぜここまでして徒歩で行きたいのか
さて、このあたりでそもそもなぜ僕は徒歩で成田空港に行きたいのか、その説明をする必要があると思う。電車に乗っている間に考えた。なぜ僕は3年前に書いたネタを引っ張り出してまで、空港に徒歩で行きたかったのだろう。
空港という場所の、その先にあるのは海外。海外の象徴としての空港。気軽に空港に行ける=気軽に海外に行く感覚ではないだろうか。
そう、僕は今から気軽に海外に行くのだ。
書いていて思考が袋小路に入っていきそうだったのでこの辺でやめておく。
ただ、そんなことを考えてもおつりがくるぐらい、東成田方面に向かう電車は空いていた。思考の行き詰まり感とは反対に、のびのびとした車内。
一抹のさみしさ
東成田は立派な地下駅だった。駅の施設も立派だ。都内の地下鉄駅と比べても何の遜色もない。違うのはただ一点。利用客が僕以外に見当たらないことだ。
後で調べたらこの駅は、かつて現在の成田空港駅ができる前に、空港へのアクセスに利用されていた駅のようだ。だから建物も立派である。その後空港駅としての役目を終えたあともこうやって稼働し続けていている。何もないけど立派、という点に一抹の物悲しさを感じるが、この物悲しさは僕は嫌いではない。抽象的だが、昨日見た夢みたいな光景だ。 |