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フェティッシュの火曜日
 
厳寒の焼肉祭りであの世を見た
もやがかった白の世界、同行者石川の背後を異形の者が。
あの世とはこういう風景(のような気がするの)だ。


北海道は北見市に「厳寒の焼肉祭り」というイベントがある。真冬の2月に野外で焼肉をするのだ。

だが実態はそんな単純な話じゃない。僕は見た。焼肉パーティーだと思って行ったその先で、僕は「あの世」を見たのだ。

先に結論から言うとこの先この人生でこんなに濃密なイベントにはそう何回も立ち会えるものでもないだろう。

誕生、入学、卒業、就職、北見厳寒の焼肉祭り、結婚、退職…ライフコースの一つに組み込みたくなるほど、と序文から早くも言い過ぎてしまうくらい、それほどなイベントでした。

(text by ざんはわ



1500人が寒空の下、肉を食うらしい

出発前、東京では前売り券が買えなかったので、電話で予約をした。「東京から!?ぜひいらしてください!」と熱烈な歓迎をいただきこちらも大変うれしかった。

「寒いので気をつけてくださいね」というので、どれくらい寒いのかと聞いたところ「(焼肉の)タレが凍ったりします」と電話で言っていた。

それは外で焼肉なんかやるからじゃないのかな、とも思ったけれど、そういうイベントだからいいのか、と折り合いもつくようなつかないような、とにかく僕らは北見に飛んだ。


開始前。簡単なイス、その上には焼肉のタレが、と早くも不思議な光景。

ランダムにずらりと市販の調味料が置かれている
終了後の一枚、−7.3℃(例年よりあたたかいらしいです)

地元ではちょうメジャーなイベント

北見は焼肉の街。あと寒さ。ということで、寒さと焼肉のPRをかねて野外での焼肉祭りを考えてみました。そんな祭りの起源を受付の方から聞いた。単純な掛け算だったのか。

元々は企業の支店が多かった北見で転勤族の方が始めたイベントだそうだ。(参照→YomiuriOnline「道人紀行・焼肉まつり大人気」

外の人が始めたイベントだけども、毎回1500枚のチケットが完売するほど、つまりは地元で大人気で、もう、みんななんでそんなに寒い外で焼肉したいのか、と、頭を悩ませる。(参照サイトによると主催者でさえ人気の理由が分からないという)

アイ、リカイ、フノウ…と、コンピューターが人類を支配したんだけど結局は人の愛の力でやっつけられる。そんな安っぽい漫画のような僕コンピューター(ファミコンレベル)が北見の人の郷土愛に嫉妬している。そして爆発する。ボカーン、と。

初めての真冬の北海道

適当なことを書いてしまいましたが、寒いです。寒いです、としか言いようがないのも体に寒さについての語彙と経験が蓄積されていないからで。

とはいえ、寒さについては対策済み。信じられないほど着込んで、お、いけるいける、これなら焼肉も楽しめる、と準備万端。そして1時間後、この言葉は撤回されるほど寒かったのだけれども。

 

入場したら肉と酒がもらえる

入場料は1000円。安い。見るとジュース、焼酎など無料と書かれたテントもある。飲み物だけですでに元がとれているのだけど、肉ももらえる。たまねぎとか三つ葉のおひたしももらえる。

肉の引き換えはホルモン、羊、鹿から選べるのか、どれもいいな、と思っていると、違う違う、3種持っていけ、という。こちらが想像してたものを単純に3倍したおもてなしをすでに受けている。いい予感が走りまくる。もう、このときからドキドキしてた。


テントが色々出ている、こちらは猟友会の鹿肉どっさり
七輪は暖としても使えそうだ(上方向のみ暖かい)

 

来た!始まりを告げるのは焼肉の狼煙だ

人も埋まり始めた

入った当初は50%程度だった人の入りも段々と増え始める。ステージではテントの案内をしている。みんな肉や酒を引き換えに走る。

さすが1500枚の前売り券完売。会場を人が埋め尽くし始める。どこからか煙が上がる。あ、始まったのだな、という思いでいると…


これはあの世のような光景ではないだろうか

 

あっという間に異様な世界に

この会場、外だというのに実に明るい。煙に灯りが乱反射し、それにもともと一面雪の世界なのだからもう真っ白けだ。

そして白もやの中には人、人、人。夜、もや、雪、に大勢の人たち。三途の川を渡った先、という表現が一番しっくりくるような気がしていた。

驚いてばかりもいられない、こちらも始めようか、とお酒を買いに走る。


安さに引かれ、つい東京感覚で6本買った同行者の当サイトウェブマスター・林さん
当然おそろしく冷えていて、神妙な面持ちで飲む同じく火曜担当ライター・石川くん

 

肉が凍ってるのも厳寒ムードを高める。鮮度は最高

さあこちらも焼肉をはじめます

東京感覚が通用しない。飲み会にはまずビールだろう、と同行者の林さんが6缶パックを買ってきてくれたのだが、プハーッといけないほどの冷え方で、ここまでくるともう別の飲み物じゃないかと思うほど冷たい。

早々に主戦を焼酎お湯割りに移した林さんと残されたビールをすする若手2人。

さあ、乾杯の後は肉だ。

いざ投入。

燃える

 

 
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