こうして、ドリー・ファンク・ジュニアは45年に渡った現役生活にピリオドを打った。
予想以上に動いていたし、とても元気な姿を見せてくれて嬉しかった反面、やはり25年という月日は誤摩化せず、リングの上に立っているドリーは僕が夢中だった頃のドリーと違っていた。Tシャツを脱がなかったのは、老いた体をさらしたくなかったからかもしれない。
久しぶりに初恋の人にあったら全然変わっててショックを受けた、みたいな心境だろうか。生でドリーの引退試合を見たい。そう思って両国国技館まで足を運んだが、もしかしたら夢中だった当時のまま、ザ・ファンクスを自分の胸にしまっておいた方が良かったのかもしれない。
でも、ドリーの最後を生で見れたって事は凄い事だ。
と、両国からの帰り道、頭の中でずっと堂々巡りをしていました。 |