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フェティッシュの火曜日
 
急な雨。傘がない。いったいどうしたら

 

肩をすくめているように見えるのはTシャツの背中がホースで出っ張ってるからです

いざ、夏の街へ

 明けて翌日。水冷服の実力を試すべく渋谷にやってきた。この日は天気こそ曇っていたものの、じんわりと蒸し暑い、歩けばすぐに汗ばむような気温であった。

 冷気を逃がさないように、水冷Tシャツはしっかりとズボンの中に入れ、さらにその上にシャツを着た。ふだんなら熱気がこもって仕方がない格好だが、今日は水冷効果で、Tシャツの中はちょっとした氷室になるはずだ。


 実験には火曜ライターの大北君に協力してもらった。まずは大北君お勧めの激暑スポット、渋谷駅の銀座線の出口を訪れる。


空調がないのに壁に囲まれていて、空気がこもってすごく暑い
しかし見てくださいこの涼しい顔

 さすがだ。どんよりと熱気のこもった駅構内、みんな心なしか不機嫌な顔をしている気がしたが、僕だけがニヤニヤしていた。水冷服は確実に僕に清涼感をもたらしてくれた。そして自分だけこっそり涼しくなっていることが、うれしくて仕方がないのだった。

 冷え方としてはもっとTシャツの中全体が冷気で満たされるのを期待していたのだが、そこまでの効果は出なかったようだ。体全体が涼しいというよりも、肌に触れたチューブが冷たくて気持ちいい、という感じだ。チューブは服に縫いこむよりも体に直接巻きつけたほうがより涼しかったかもしれない。

 いずれにしろ、これなら暑くない。水冷服、いけるぞ。


普段なら絶対外でなんか食べたくない気温

渋谷で今一番ホットなランチ

 次にお昼ごはんを食べることにした。今日は実験のためにあえて外で食べることにする。しかも食べ物も熱々だ。コンビニでそれぞれ熱々の食べ物を選んで買ってきた。


熱々のカップヌードル
こちらも熱々のマーボ丼

 大北君は熱々のマーボ丼をチョイス。意外と大丈夫、と勢いよくかき込んでいたが、食べ終わるころには首筋にいくつもの汗の筋が伝っていた。

 そして水冷服の僕。僕はカップラーメンを選んだ。真夏に外で食べるカップラーメン。いつもなら自殺行為だが、今日だけは違う。夏の気温はラーメンが冷めることすら許してくれないのだが、そんな熱々のラーメンもむしろおいしく感じられるほどだ。まるで部屋で食べてるみたいにスルスルと食べられてしまう。もちろん汗が流れることもない。挙げ句、大北君の熱々のマーボ丼を見てうまそうだとすら思っていたのだ。

 

氷の投入でさらにパワーアップ

 さて、食事を終えて少しタンクの水も温まってきてしまった。そんなときは氷を投入するのだ。

 氷を入れてポンプ電源を入れると、ブーンという音がして、「きたぞ、きたぞ」と気分も盛り上がる。そして次の瞬間、キリリとした冷たさが服の中を駆け巡るのだ。思わず背筋も伸びてしまう。


コンビニでロックアイスを購入
タンクにたっぷり投入すると

スイッチオンで服の中を一気に冷水が駆け巡る!

 

もっと暑い場所を求めて

 この日はなんだかじっとり蒸し暑い天気だったものの、曇り空のおかげで、正直それほどの酷暑ではなかった。水冷服はもっともっと出来る子だと思うのだが、その真価を発揮できず物足りない。

 あえて暑いところを探して、飛び込んでみた。


エアコンの室外機の前。熱風もまるで海辺の潮風のよう
バスの排気口にて。ぜんぜん暑くない(ただし有毒)

インテリアショップの照明コーナー。電球の発熱でむわっと来る暑さだが、今日は気にもならない
なんだか暑い広告にも涼しい顔

 

本気で大発明だと思います

 今回ばかりは本当に大発明だったと思う。炎天下の真夏日の実験はまだできていないが、あれだけの冷却力があればはっきり言ってどんな酷暑でも負ける気がしない。しかも水のかわりにお湯を入れれば暖房にもなりそうだ。そしてそれを考えた俺、すごい!

 ところが、この水冷服、ネットで検索してみたら、すでに実用化されている分野があった。なんと米軍で中東での活動のために使われているのだそうだ。米軍、いいところに目をつけたな。石川、お前こそ。心の中で勝手にたたえ合いながら、この記事を終わりとしたい。

109をバックに成功を噛み締める



 
 
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