意外です
こんな弁当を食べているところを同僚に見つかったらアウトだ。なにがアウトなのかは分からないが、説明に困る弁当なことだけは確かだろう。
そこで公園へとやってきた。うるさいくらい蝉が鳴くなか、ひとり弁当の包みをほどく。
作ったときはあれほど気分が高揚したというのに、いざ食べようとすると、なんだか悲しい気持ちになったから不思議だ。
いつもなら「わー、ごはんだ!」とウキウキする時間だというのに、まったく楽しくない。
正直、食べる前からうんざりだった。この企画を考えた自分を軽く呪う。
でも、食べるしかない。逃げ道はどこにもない。
心掛けたことは「ペース配分だけは慎重に」である。ごはんが余ったらゲームオーバーとなるだけに、気前よく梅に手を出せない。
梅の残りとごはんの減り。そのバランスを見計らいながら、ただひたすらに食べ続けた。
なんと、梅が余った。40グラムの梅干しは、500グラムのごはんに余裕で勝った。楽勝だ。
これではとても勝負にならない。そこで翌日は梅の量を半分にしてみた。
対戦2日目は、20グラムの梅 VS 480グラムのごはんの勝負である。(ごはんの量が減ったあたり、我ながらいじらしい)
この日も「慎重に!」を合言葉に、もそもそとごはんを口に入れる。この弁当、腹だけは膨れるが、いかんせん飽きる。
そこで今回は「おこげ」の部分を多めに入れてきた。
私の試合運びが上手くなったのか、それともおこげ作戦が功を奏したか、なんとこの日も梅干しの圧勝であった。
かえって昨日よりも梅が余ったくらいだ。梅、本当に強い。そしてしぶとい。
そこで最終日は、10グラムで勝負に出ることにした。
もう見た目からして不安であるが、私も3試合目である。すっかり雰囲気にも慣れたことだし、大丈夫な気もするが、どんな結末が待っているのだろうか。